イーチン・タロットを入手した

 易占用のイーチン・タロットを、いくつか購入してみた。イーチンというのは英語で易経のこと。イーチン・タロットは別名が易占カード、易タロット、イーチン・カード、イーチン・オラクル・カードなどとも呼ばれているが、要するに易経の六十四卦を64枚のカードにしたものだ。

 タロットと呼ばれていても、これは西洋のタロットカードとはまったく別のもの。「カード占い=タロット」というネーミングなのだろう。タロットカードや最近流行しているルノルマン・カードには伝統的な絵柄というものがあるのだが、イーチン・タロットにはそうしたものがない。さまざまなメーカーが、独自の絵柄を提案しているのが面白いと言えば面白い。

 共通しているのは六十四卦の象(陰陽6本の爻で構成されている大成卦の形)と、六十四卦のそれぞれに該当する数字(乾が1で未済が64になる)が印刷されていることだろうか。

 このイーチン・タロットを実際の易占に使用する方法だが、これも確定した占い方というのはないようだ。変爻は用いず卦辞しか見ないと書かれている本や解説がある一方で、イーチン・タロットに同封してある簡易解説書に各爻に該当する簡単な説明が書かれているものもある。

 とりあえず1枚引きだけでも、簡単な占いはできる。爻辞も占いに使いたいなら、1枚引きとサイコロを併用すればいい。本卦と之卦を出したいなら、カードを2枚引けばいいだけだ。これで2枚のカードの差分を見れば、変爻も割り出すことができる。

(ただしこの変爻にどの程度の意味があるのかは不明だ。カード2枚引きだと筮竹や擲銭法、サイコロなどでは出てくる「無変爻」がなくなってしまうわけで、これだけでもカード2枚引きが中筮法の代替策にならないことがわかる。)

 映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』は冒頭にイーチン・タロットで実際に占いをする場面が出てくるが、登場するのは龍羽ワタナベさんという台湾で活躍中の日本人占い師と、彼女がプロデュースしたオリジナルの易占カード。映画を観る限りでは、カードを並べて2枚引きにしているようだ。(このカードも通販で購入できるのだが、僕はまだ持っていない。)

 僕が手に入れたイーチン・タロットはすべてAmazonで購入したのだが、カードを何種類か手に入れて触ってみた結果、自分としてはこれを使わないだろうなぁ……という結論に達しつつある。理由は面白味に欠けるからだ。

 どのような占筮法を取るにしろ、カードの山から特定のカードを引っこ抜いてきてそこに書かれている数字と易経の該当ページを見比べるという方法は変わらない。これがあまりにも簡便すぎてつまらない。また描かれている絵柄が自分の卦の解釈とうまくマッチングしないと、それも使いづらいカードになってしまう。中には易経と照らし合わせても、なぜそんな絵柄になるのか意味不明の時がある。

 こうしたカードは易占に初めて触れる人には親しみやすいかもしれない。つまりまったくのアマチュアには向いているのだ。またプロの占い師も、素早く結論が出るという意味で使う意味があると思う。映画『ママダメ』のように対面で占いをする場合などは、算木を並べたり紙にボールペンで線を引くより、きれいな絵柄の描かれたカードの方がイメージを喚起してくれるという意味もあるだろう。

 でも僕のように「趣味の易占」を楽しんでいるなら、イーチン・タロットは中途半端すぎる。絵は卦象の持つ豊富な情報を、一定の方向に狭めてしまうデメリットもある。というわけで僕はまたサイコロに戻ると思うのだが、他人に「わたしの運勢を占って!」などとお願いされれば、易占タロットも悪くないのかなぁ……と思っている。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

イーチン・タロットを入手した」への6件のコメント

  1. イーチン・タロットに興味がなくなったのは、買ったカードが悪かったからではないかと思います。
    欧米のイーチン・タロットは、確かに絵と卦の意味が一致しないゴミです。
    でも、あなたが紹介している龍羽ワタナベさんのカードや、高井紅鳳氏の「易占タロット」、星マリアの「イーチンオラクルカード」だったらそんなことはないでしょう。
    ちなみに私は真矢茉子の「イーチン・タロット」を使ってます。

    • イーチン・タロットが面白くないのは、本卦から之卦への変化が、本来の易とは関係ないからだと思います。変化に乏しく、変化してもそれが不自然なのです。

      筮竹やサイコロやコインを使った占筮(中筮法)の場合、本卦が64通り、之卦が64通りで、組み合わせとしては4096通りの「卦」が存在します。しかしイーチン・タロットは、組み合わせとしてはそれより少なくなりますし、中筮法ではしばしば出る無変爻が存在しません。

      またイーチン・カードには変爻という考えがないので、易経の中から爻辞を読むことができません。まあカードとサイコロを併用するなど、工夫すればいいんでしょうけど、工夫すればするほど本来の易占からは離れて行くような気がします。

      イーチン・タロットが向いている人もいるんでしょうが、僕にはちょっと向いていませんでした。最後は好みの問題でしょうね。

      僕は今でも毎日易占をしていますが、使っているのは八面ダイスがほとんどです。旅行に行ったりすると、コインも使います。スマホに電子書籍版の易経を入れてあるので、これだけでちゃんと占えます。便利です。

      • 丁寧で分かり易い返信を有難うございます。
        変爻はないし、之卦に規則性はないです。
        強いて言えば、タロットのようにスプレッドをやるようにできているのでしょうかね。
        結局イーチンタロットとは、あまり本格的に易をやらない人向けなのかも知れません。
        私は1枚引きだけで我慢してます。
        それでも、タロットより当たる気がします。

  2. 追記
    言い忘れましたが、ちょっと面白い物を見つけました。
    これもイーチンカードの範疇に入るのではないかと思います。
    https://blog.goo.ne.jp/rune-iching-tarot/e/a4743a96ff6fc27efd8488d21ccd453c
    ルーン占いと易占とタロットを融合したカードですが、小アルカナだけ使えばイーチンカードとして使えます。
    絵はタロットの小アルカナが充てられてますが、卦の内容と矛盾しません。
    無料だし。

    • タロットは興味があってウェイト版を何セットか持っていますが、ルーン占いは興味が持てずに手を出していません。むしろルノルマンカードの方が面白そうだと思っています。

      周易やタロットは歴史があり、スタンダードな読みの規範が強いので、勉強しはじめるときりがありません。歴史の浅いルノルマンカードの方が、自由な解釈ができるような気がします。

      • タロットの占いとしての歴史は浅く、元々ゲームだったものをむりやり占いにした感が拭えないです。
        ぶっちゃけ、不完全な占いだと思います。
        全カードの絵札化やケルト十字法の紹介など、占いとしての骨格を作ったのは、ほとんどウェイト1人の功績だと思います。
        小アルカナは元々完全にトランプです。
        大アルカナはルーン文字を参考にして考案した痕跡が見られます。
        ルーン文字は占いと言うより魔除けの魔術としての使い方が本分のようです。
        易と並ぶ優れた占いを挙げるなら、やはりルノルマン・カードです。
        易とルノルマンは本当によく当たると思います。
        ルノルマン・カードの方が複数のカードを組み合わせて解釈するので汎用性が高く、様々な質問に具体的に答えてくれる利便性があります。
        ルノルマン・カードはお薦めです。
        ハマるかも知れませんよ。

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