高大接続改革: 変わる入試と教育システム

 髙大接続システム改革(髙大接続改革)は、現在受験業界で最もホットなキーワードだ。いろいろな説明を聞いたり読んだりしてもよくわからないのだが、自分としては以下のようなのもではないかとアタリを付けた。

 高校と大学で教育改革が進んでいる。目指すのはおおよそ同じで、これまでの丸暗記型知識偏重教育を脱して、自分自身で考える力を養おうというものになる。そのために作文を重視したり、グループ学習、プレゼン、ディベート、ICT教材を利用したeラーニングなどの教科も導入される。これらを総称して「アクティブラーニング」と呼ぶ。こうした教科は、高校と大学で同時期に導入され、実際に導入されている学校も多い。

 しかしいくら高校と大学で学びが改革されても、肝心の大学受験が今までのままなら意味がない。高校生は受験対策として、結局は丸暗記知識偏重型の受験勉強をしなければならない。学びの改革が、そこで中断してしまうわけだ。そこで「髙大接続改革」は、高校と大学の「接続」部分、つまり大学受験を改革する。高校の学力を判定する「高校テスト」と、現在のセンター試験に替わる「大学テスト」が新設され、そこでは高校でのアクティブラーニングの成果が評価されるようになる……。

 とまあ、そんなことではないかと想像したわけだ。

 しかしこの本を読んでも、結局そのあたりはよくわからなかった。この本の中では、現在の受験システムの問題点は語られている。髙大接続改革の目的についても語られている。アクティブラーニングの導入事例も紹介されている。海外の大学との比較も紹介されている。だが肝心の「髙大接続改革がどうなるのか?」についてはさっぱりわからない。

 そこでどんな試験が行われるのか。受験対策としてどんなことをすればいいのか。高校や大学にある学力格差はどうなるのか。AO入試や推薦入試は、髙大接続改革の中でどんな位置づけになっていくのか。こうした「具体的な話」が、まったく見えてこないのだ。

 この本には「変わる入試と教育システム」というサブタイトルがついている。だが具体的にどのように入試と教育システムが変わるのかがまるでわからない。

 著者は二人いるのだが、それぞれの著者が言っていることがチグハグなのも気になる。一方は「世の中の現実を考えると、より偏差値の高い難関大学を目指す方がいい」と言い、もう一方は「偏差値のこだわらず自分に向いている大学に行くのがいい」と説く。こうした基本的なことから、そもそも著者たちの言っていることが噛み合っていないのは気になった。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中