先生は教えてくれない大学のトリセツ

 法政大学などいくつかの大学で社会学を教えている著者が、「大学で学ぶこと」について書いた本。

 大学の講義を能動的に受講するコツ。プレゼンが上手くなる方法。ゼミでの論文指導の様子。大学生がアルバイトやインターンをする意義。このあたりまでは大学の教員から学生たちへの提言という感じで素直に読めるのだが、続く「白熱しない講義の裏事情」は読んでいて情けない気持ちになってくる。

 私語が絶えない教室。それを注意すると逆ギレしてふて腐れる学生。なぜ大学はかくも劣化してしまったのか? それはある種の必然だと著者は言う。だがその必然の中で、大学で教える人たちは何をすればいいのか?

 大学が劣化しているのは、必ずしも学生の質が悪くなったからではない。それは社会が大学に求める機能や役割の問題であり、少子化時代に大学を経営する側の問題でもある。そうした「大人の事情」に振り回された学生は、自己防衛の手段として講義中に寝たり、友人とお喋りをしたり、スマホをいじくり回したりしている面もあるのだ。

 大学の数は増え、学生の数は減っていく。大学はこれからも、大きく変わっていくだろう。この本に書かれているのは2017年という今の日本の大学の姿だが、今から10年もたてば、この風景はまったく変わっているに違いない。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 読書

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