限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択

 日本は今後急速に人口が減少していくので、今後は海外から移民を入れなければならない……という内容を予想したのだが、じつはそうではなかった。

 この本は「移民を入れろ」と主張しているのではなく、「既に海外からの移民は行われている」という意外な事実を読者に告げるのだ。ただし現在日本ではそれを「移民」とは呼ばず、「定住外国人」と呼んでいる。「移民」と「定住外国人」を区別しているのは日本ぐらいで、海外の基準ではどちらも「イミグラント」で同じものなのだ。

 この本には「日本は移民政策を取らない」と大見得を切った安倍経験の下でも、着々と移民受け入れ政策が進んでいることが書かれている。もちろんそれは「移民増加政策」ではなく、「定住外国人を増やす政策」と言い換えられているのだろう。内容は同じ事だ。日本人の多くがそんな事情を知らないうちに、海外からの移民は着実に増えていく。いずれそれは、堰を切ったように日本中にあふれかえるだろう。

 日本の経済は既に、外国人労働者なしには成り立たない状態になっている。地方の田舎町に行っても、コンビニやファストフード店では外国人が働いている。新聞配達も、今は外国人なしには成り立たないという。これらの外国人を一斉に閉め出したら、日本経済のあちこちが麻痺してしまう。もはや日本は、外国人労働者なしには成り立たないのだ。

 「そうはいっても海外では移民が社会問題化しているではないか!」と言う人もいるだろう。その社会問題がいかなるもので、各国がそれを克服するためどのような努力をしているかも本書には紹介されている。どこもまだ道半ばではあるが、移民への対応について一定の国際的のコンセンサスのようなものはできつつあるのかもしれない。日本はその蚊帳の外だけれど……。

 ひとつだけ言えることは、日本人の多くが望まないとしても、定住外国人(移民)はこれからも日本にどんどん入ってくるし、それが増えることはあっても減ることはない。日本人の数は減りはじめたし、日本人の中でも就労可能な年齢層の人口は既に急速に減りつつある。そこを補ってくれる外国人労働者の流入にストップをかければ、その瞬間に立ち行かなくなる業界がいくらでもあるのだ。

 安倍政権は「出生率を上げて50年後も人口1億人を維持」などと言っているが、これが不可能であることは誰の目にも明らかだ。これは「人口1億人を割り込むようなら、日本の経済は破綻しますよ」という国民へのアピールだろう。日本人だけで人口が維持できないなら、それを外国人で補うしかない。日本はいずれ自らの生き残りのために、なり振り構わず移民を受け入れることになる。これはもう「既定路線」だ。役人も政治家も、もう移民受け入れに向けて動いている。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 読書

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