結婚しないことが当然の世界

 2015年の生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合)が発表された。

 男性は23.37%、女性は14.06%だという。生涯未婚率は調査するたびに割合が増えていて、その増加が鈍化する気配がまるでない。まあそうだろう。結婚する人が増える理由が、どこにもないのだから。

 生涯未婚率は国政調査のデータを使って算出するのだが、2020年の調査ではさらに生涯未婚率が上昇していることは間違いないだろう。

 つまらないことを言うようだが、日本の場合は結婚と出産が強く結びついているため、生涯未婚率の上昇はそのまま少子化に拍車がかかることを意味している。日本は今後もどんどん少子化が加速していくだろう。

 これを「つまらないこと」と言うのは、日本が少子化するのは既定路線であって、今さらそれについて何をどうコメントしても陳腐だからだ。

 このデータから読み取れるのは、日本では既に「夫婦」という社会の基本ユニットが機能しなくなっているという事実だ。「結婚できない」とか「結婚しない」というのは、珍しいことではなくなった。

 じつは現時点(2015年時点)での生涯未婚率は、日本人のガンでの死亡率とほぼ等しいのだ。2014年データによれば、男性の全ガン死亡リスクは25%、女性は16%だという。日本において「未婚のまま死ぬ」ということは、ガンにかかって死ぬのと同じぐらい普通のことになっている。

 結婚する人が少数派になるとは思わないが、そう遠くない未来に、日本では生涯未婚率が30%を超え、40%に近づいていくだろう。案外それは、あっという間にやってくるかもしれない。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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