相手をバカにする人の考え方

うまくいっている人の考え方 完全版 (ディスカヴァー携書)

 ジェリー・ミンチントンの「うまくいっている人の考え方」を、空いた時間に少しずつ読んでいる。本のテーマは「自尊心をどう高めるか」で、具体的な方法が100のコラムになっている。

 昨日たまたま読んでいたコラムは、「バカにされても相手にしない」というタイトルが付いている。少し長いが、前半から中盤までを引用してみる。

 なぜ相手をバカにするようなことを言う人がいるのだろうか? それには多くの理由があるが、どれをとっても健全な理由ではない。
●相手が不愉快な思いをしているのをおもしろがる。
●自分と違っている人をバカにすることで優越感に浸る。
●精神的苦痛を相手に与えれば、自分の苦痛が減るような気がする。
●自分がバカにされるのを避けるために、人々の注意をそらそうとする。
●自分がバカにされると深く傷つくが、相手は自分ほどには精神的苦痛を感じないと思っている。
 幸せで充実した人生を送っている人は、誰にも苦痛を味わわせる必要性を感じない。こういう「必要性」を感じる人は、自分の不適切な行動の原因が未熟さと不幸にあることに早く気づいて反省してほしいものだ。

 SNSには「相手をバカにするようなことを言う人」があふれている。他国や多民族、日本国内でも自分と考えが違う人たちへの侮蔑的な発言を繰り返す「自称保守」や「ネトウヨ」は、その代表例だろう。

 ジェリー・ミンチントンはそうした人たちを『幸せで充実した人生』を送れない、『未熟』で『不幸』な人たちだと断じている。この本のテーマに沿って言うなら、他人をバカにする人には「自尊心」がないのだ。

 自尊心を持つ人は、言い換えるなら「自分自身を愛することができる人」は、他人をバカにしたりしない。それがかえって自分を貶めることになると知っているからだ。

 「わたしは価値ある人間だ」と誇りに思うのは良い。それは自尊心のあり方のひとつだ。だがそのために、自分を他人と比較する必要はない。他人と比較することで生じる相対的な優位性など、その分野で自分より優れている人が現れれば途端にペシャンコにされてしまうではないか。

 「わたしはAより価値ある人間だ」という相対的な評価は、「わたしはBより劣った無価値な人間だ」という評価を生み出すリスクをはらんでしまう。その恐怖から目を背けるため、人は自分より劣ったAをバカにする。Aを不愉快にさせ、場合によっては足を引っ張り、仕事を妨害する。でもそれは、自分自身の劣等感の裏返しに過ぎないのだ。

 「日本は良い国だ」と自慢したり、誇りに思ったりするのは結構な話だ。しかしそのために、日本を外国と比較する必要はない。そんなことをすれば、日本はたちまち「他国との相対的な比較」の中で、大きな劣等感を抱え込むことになる。

 かつての日本は、アジアの中で唯一の経済大国だった。「日本は良い国だ」「素晴らしい国だ」と思っていた。日本が世界の中で唯一頭が上がらないのはアメリカだけで、他の国に対して日本は何らの引け目を感じることもなかった。しかし「経済的な優位性」というモノサシで自国を見ていた結果、ここ十数年で韓国や中国が急激な経済発展を遂げて追いついてくることに恐怖を感じざるを得ない。

 もう十年以上前からサラリーマン向け雑誌の表紙には「間もなく中国経済のバブルは崩壊する」とか「韓国経済は失速する」という文字が踊っていたが、今のところこれらの国が完全に崩壊したり失速した事実はない。日本は追いつかれ、部分的には追い抜かれているところもある。

 その結果日本で吹き荒れているのが、中韓に対するヘイトスピーチではないのか。日本は自分自身に対する自信をなくしてしまったのだ。だから自分より下であった中国や韓国をバカにして、少しでも溜飲を下げようとしている。なんだか情けない話だと思う。

 日本人が日本を好きであることや、日本人が日本を誇りに思うことに理屈はいらない。子供が理屈抜きに自分の母親を慕うように、その国で生まれ育った国民は母国を誇りとし、理屈抜きに愛すればいいのだ。なぜそこで、中国や韓国を引き合いに出さねばならないのだろう。そんな必要性は毛頭ないのに……。

 日本人は健全な自尊心を取り戻さなければならない。中国や韓国、あるいは他の国と比較して日本を称賛することが「愛国心」だと思っている人がいるなら、正直そんな愛国心は不要だと思う。そうした「相対的な愛国心」はすぐにメッキがはげる。どんな分野であれ、日本より優れた国はいくらでもあるからだ。

 そういう意味では、「愛国心教育」なるものはほとんど無駄だと思う。愛国心は学校の教室で学ぶ道徳ではなく、自国の歴史に親しみ、文化に触れ、自然を愛でることの中から、自然に身に付くものなのではないだろうか。ある対象をよく知ることが、その対象を愛することにつながるのだから。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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