中韓蔑視は右翼でも保守でもない

瑞穂の國記念小學院

 土地取得の過程で何らかの不正があったのではないかと言われている瑞穂の國記念小學院(大阪府豊中市)だが、同系列の学校法人塚本幼稚園幼児教育学園で、中国人や韓国人に対する差別的な言葉が大っぴらに語られているらしい。

 報道によれば、塚本幼稚園は保護者に対して「よこしまな考えを持った在日韓国人や支那人」と書かれた文書を配布したり、元在日韓国人の保護者に「韓国人と中国人は嫌い」と書いた手紙を送ったりしたのだという。

 塚本幼稚園は子供たちに五箇条の御誓文や教育勅語を暗誦させたり、戦前の軍歌を歌わせることで知られる「復古調の幼稚園」なのだという。でもそこで中国や韓国の人たちを差別するような発言が行われているなら、それ復古でも戦前回帰でも何でもない。それは単なる「狭量な排外主義」だろう。

 明治以降の日本の外交政策はアジア主義(汎アジア主義、大アジア主義)だ。欧米列強に対抗するため開国し、急速に近代化を成し遂げた日本は、日本を中心にアジア諸国を一致団結させて欧米に対抗できる力を付けるべきだと考えた。日本にとって、アジアの他の国々は支援すべき隣人だった。

 「アジアの中の日本」を考えるアジア主義は、明治時代になっていきなり現れたわけではない。江戸時代にも日本は朝鮮と活発な貿易を行っていたし、中国とも貿易を行っている。日本は古代から中国や朝鮮半島と深い関わりを持っていて、それこそが日本の文化や伝統でもある。

 戦前の右翼はアジア諸国を近代化させるのが日本の使命だと思っていたから、アジア諸国から日本に勉強に来る学生たちを支援したし、祖国近代化のために運動する民族主義者や革命家たちを助けることもあった。

 「日本はアジアのリーダーとして欧米列強に対抗せねばならぬ」という考えが、結果としては日本のアジアへの介入を強め、日中戦争や第二次大戦へとつながっていったのも事実だろう。八紘一宇のスローガンは、その最たるものだ。だが少なくとも明治から戦前までの日本人は、自分たちを「アジアの一員である」と考えていたし、「日本はアジア諸国との関係の中で生きていかねばならぬ」と思っていたのだ。

 だが現在の日本で「保守」や「右翼」とされる人たちは、アジア諸国との関係で日本をどうにかして行こうという発想がない。だから平気で中国や韓国に対する蔑みの言葉を口にする。

 塚本幼稚園では子供たちに五箇条の御誓文や教育勅語を教えているらしいが、五箇条の御誓文には『智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ』とある。排他主義は御誓文の趣旨にそぐわない。それは教育勅語にある『朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ』という言葉にも反している。

 塚本幼稚園は保守でも右翼でもない。ファッションとしての懐古趣味であり、一部のウケがいいからそれらしいポーズを取っているだけなのだ。こんなものが「保守」や「右翼」であるはずがない。これは単なる「狭量な排外主義」だ。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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