『マグニフィセント・セブン』は反トランプの西部劇だ

 映画『マグニフィセント・セブン』はいまいちバッとしない西部劇だったけど、これは完全に反トランプ派の映画だと思う。

 物語のあらすじは『荒野の七人』やその原作である『七人の侍』をなぞっているのだが、ガンマンたちに救援を求めるのは貧しい村ではなく、開拓者たちの作り上げた町だ。つまりこれは、アメリカという国を意味している。

 その町を襲って人々を苦しめているのも、食いつめた野党ではない。『マグニフィセント・セブン』の悪役は、鉱山業で財を成した成り上がりの男。金のためならなり振り構わない、粗野で粗暴な男なのだ。

 商売人だが交渉ごとは嫌いで、相手を格下と見れば徹底した要求と命令しかしない。上等のスーツに身を包み、町から遠く離れた都会に大邸宅を構えて住んでいる。そして自分の部下であっても、気に食わないものは平気でクビにする。ま、西部劇ですから射殺しちゃうんですけどね……。

 これに対抗するガンマンたちは、アメリカ中のマイノリティやエスニシティを集めてきたような顔ぶれ。リーダーは黒人、時代の流れに乗り遅れた白人たち(南軍の残党、ギャンブラー、古色蒼然としたマウンテンマン)、東洋人、メキシコ人、先住民などだ。

 トランプ大統領は選挙期間中から「メキシコ国境に壁を作る」とか「不法移民を追い出す」と言い続けていた。ガンマンたちのうち何人かは、そうした「追い出される側」の人たちであり、トランプが言う、「取り戻すべき偉大なアメリカ」には属していない人たちだろう。

 トランプ時代に周辺に押しやられたマイノリティやエスニシティが、古き良き開拓民のアメリカと手を組んで、新興成金の横暴に立ち向かうというのが『マグニフィセント・セブン』なのだ。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中