映画俳優・松方弘樹

映画の奈落 完結編

 1月21日に俳優の松方弘樹が亡くなったので、それについて思うことを少し書いておく。

 松方弘樹については新聞やテレビが、映画『仁義なき戦い』やテレビ時代劇「名奉行 遠山の金さん」のタイトルを出して代表作のように紹介することが多い。だがこれらは誰もが知っている有名な作品だから、ここに名前が出てくるだけだろう。

 『仁義なき戦い』の主役は菅原文太であり、松方弘樹は脇役であり殺され役だった。しかも何度も殺される。「遠山の金さん」は中村梅之助から何人もの主演俳優がバトンタッチし、テレビ局をまたいで継続して行った人気シリーズで、松方弘樹もその一角を担っただけだ。(ただし演じた回数は歴代最多ではあるけれど……。)

 松方弘樹は代表作や当たり役のない有名俳優だった。彼が主演して、シリーズ化されている映画はほとんどない。テレビでも「この役は松方弘樹でなきゃ」という、決定的な役に巡り会うことはなかった。

 それでも松方弘樹が長く活躍し続けたのは、彼が映画俳優としてどんな役でも演じ分ける力を持っていたからだ。しかも小さな役を器用に要領よく演じ分けるわけではなく、スケールの大きな主役級の役を、いくつもいくつも演じて見せた。

 松方弘樹は本人に合った役をあてがわれて演じる「スター」ではなく、与えられた役を消化して演じる「俳優」だった。

 松方弘樹が主演した映画『北陸代理戦争』のメイキング本が、「映画の奈落 完結編 北陸代理戦争事件」として文庫化された。著者の伊藤彰彦は松方弘樹をインタビュー取材していて、この本にはその一部が収録されているがとても面白い。

 インタビュー本自体は2月に「無冠の男 松方弘樹伝」というタイトルで発売されるとのこと。せっかくなのでAmazonで予約しておいた。この本が届いたら、松方弘樹についてまた何か書こうと思う。

無冠の男  松方弘樹伝
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投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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