アパホテルの言論の自由

誇れる祖国 日本復活への提言Ⅳ 本当の日本の歴史『理論近現代史学Ⅱ』

 ホテルの部屋に備え付けられている本と言えば、ギデオン協会の聖書か、仏教伝道協会の仏教聖典あたりが定番だろう。

 以前どこかのホテルでモルモン書を見かけたことがあるが、そんなものはごく例外的なものに違いない。だがビジネスホテルの全国チェーンであるアパホテルには、同ホテルの経営者が自費出版した本が備え付けられているのだという。

 なんか、すげえなぁ……。

 今回問題になったのは「誇れる祖国 日本復活への提言Ⅳ 本当の日本の歴史『理論近現代史学Ⅱ』」という本なのだが、これはアパホテルでは売っているけれど、一般の書店では売っていない本だ。おそらく自費出版なのだろう。それをせっせと全国のホテルの部屋に配布し、フロントで売っているのは、完全に営者の道楽でしかない。

 今朝のワイドショーはこの話題を結構取り上げていたのだが、この本を印刷してホテルの部屋に配置し、フロントで販売すること自体は、完全にアパホテル経営者の自由だと思う。それによって中国人が不快感を感じようと、憤りを感じようと、それを承知でやっていることなら他人がどうこう言うようなことではない。

 これは日本国憲法で保障された「言論の自由」の範囲のことだ。

 言論の自由とは、立派なことを言う自由ではないし、他人を感心させるようなことを言う自由でもない。立派なことや感心させるようなことをいくら言っても、それを制約されるようなことはない。

 言論の自由とは、他人の神経を逆なでし、不快にさせ、憤らせ、怒り狂わせ、時には悲しませ、絶望的な気分にさせる自由なのだ。こうした自由が保障できないなら、言論の自由も表現の自由もあり得ない。

 僕自身はアパホテルがやっていることにはまったく共感しないし賛同もしないのだが、アパホテルがやっていることは言論の自由や表現の自由の範囲内で許されているということは強調しておきたい。

 ただしこうした自由を行使すれば、強い批判を浴びることは覚悟しなければならない。

 アパホテルは中国の旅行サイトからブロックされて、中国人観光客が予約できない状態になったらしい。まあそれはそれで、言論の自由を行使したひとつの結果なのだ。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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