デビー・レイノルズ逝く

Singin in the rain

 女優のデビー・レイノルズが12月28日に亡くなった。娘のキャリー・フィッシャーが前日27日に亡くなり、家族でその葬儀の相談をしている中で脳梗塞の発作を起こしたのだという。享年84歳。

 日本の報道では「キャリー・フィッシャーの母」と紹介されることがほとんどだったと思うが、女優としての彼女は『雨に唄えば』(1952)の主演女優として有名だ。他にも多くの映画に出演しているのだが、映画史的な評価としては、やはり『雨に唄えば』が彼女の代表作ということになるのだと思う。

 ファンにとって異論はあるかもしれないが、デビー・レイノルズは結局『雨に唄えば』1作だけの女優だったのだ。

 代表作が1作しかないというのは、娘のキャリー・フィッシャーも同じだった。彼女も多くの映画に出演しているが、代表作と呼べる作品は結局『スター・ウォーズ』シリーズしかない。誰もが彼女を「レイア姫を演じた女優」として記憶し、亡くなった際の報道も「レイア姫」で統一されていた。

 しかし代表作が1作だけでもあるというのは、女優としては幸福なことだ。『雨に唄えば』を観たことがある人なら、ヒロインのキャシー・セルドンを演じたデビー・レイノルズを決して忘れないだろう。『スター・ウォーズ』シリーズのファンにとって、レイア・オーガナを演じたキャリー・フィッシャーは永遠の存在だ。

 『雨に唄えば』は製作されて60年以上たってもその価値を失っていない。今後100年たっても、『雨に唄えば』は愛され続けるだろう。『スター・ウォーズ』もディズニーのフランチャイズ作品として、ミッキー・マウスやくまのプーさんと同じように、未来永劫大切にされていくコンテンツになるはずだ。

 本人たちにとっては「過去の代表作」が重荷になることもあったと思うが、結果として彼女たちの名前は作品とともに残ることになった。

 デビー・レイノルズとキャリー・フィッシャーは、ハリウッドを代表するような大女優でもなければ、名前を言うだけで誰もがうなずく有名女優でもなかった。あくまでも「あの映画であの役を演じた女優さん」という存在だった。でもこの母娘の名前は、映画の歴史の中に永遠に刻み込まれて決して色褪せることはない。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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