宅配便は今後10年で消滅する

宅配便

 宅配便の荷物が遅れて配達されてきた。本当なら昨日の指定日配達だったのが、1日遅れの今日になってしまったのだ。まあ特別急ぐ荷物ではなかったので、これ自体はどうということでもない。

 ただ宅配便に関しては、今後10年現在のサービスを維持することは不可能だと思っている。理由は人手不足だ。今回荷物の配達が遅れたのも、ひょっとすると人手不足が原因だったのかもしれない。

 日本の物流がトラック中心になってもう何十年もたつ。その末端を担っているのは、さまざまな宅配業者だ。大手ならヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、西濃運輸、福山通運などだろう。こうした業者は日本全国どこにでも出かけて、荷物の配荷と集荷を行っている。

 こうした業者の流通網で末端にいる作業員は、段ボール箱や封筒に入れられた小さな荷物を地域の配送センターから小型のトラックや台車に載せて持ち出し、一軒一軒の商店や事業所、個人宅に配って回る。同時にこうした小口の取引客から、大小の荷物を集めてくるのだ。荷物をコンテナやトラックに載せて空路や陸路で運ぶ部分が物流の大動脈だとすれば、こうした個別の集荷と配荷は物流の毛細血管みたいなものだ。

 しかしこうした毛細血管が、機能しなくなる日は近いと思う。人間の身体で毛細血管が機能しなくなれば、その部分は壊死して腐っていく。おそらくそう遠くない時期に、日本の物流についてもあちこちで同じような壊死が起きていくだろう。理由は深刻な人手不足だ。

 今年はAI技術についていろいろなニュースが報じられた年でもあり、そう遠くない将来に自動運転技術が実用化されて、トラックドライバーの仕事はなくなるだろうという記事もあちこちで見かける機会があった。確かに物流の大動脈部分は、自動運転で無人化できる可能性が高いと思う。配送センターに集められた荷物を仕分け、目的地別にトラックに乗せて、目的地の配送センターに届ける。これは自動化できるかもしれない。

 しかしそれから先、荷物の集荷と配荷は自動化できない。ここには今後も当分の間は、人間の手が必要になるはずだ。それが人手不足で維持できなくなれば、集荷の遅れ、荷物の遅配などが頻繁に起こるようになり、いずれはサービスそのものがストップしてしまうと思う。

 すでに宅配業者は「荷物をお近くのコンビニで受け取れます」というサービスを行っているが、今後はむしろこれが普通の物になっていくのではないだろうか。荷物は個別に集荷や配荷をしない。荷物はコンビニや地域の配送センターまで出向き、届けたり受け取ったりしてもらう。どうしても集荷や配荷が必要なら、それは別料金だ。

 ただしコンビニも人手不足が深刻な業種で、今後は24時間営業の見直しや定休日の導入、店舗の閉鎖などが大々的に行われると思う。コンビニを宅配便の地域配送窓口に使うのも限界があるだろう。

 大口の事業所向けには、集荷と配荷が残るかもしれない。しかしそれも取引先の前まで自動運転のトラックが向かうので、荷物の積み降ろしは自分でやってくれという形になると思う。小口の事業者向けには原則配送センターへ出向いてもらい、特に要望があればやはり別料金での集荷と配荷を行うことになるだろう。

 現在のきめ細かな宅配便ネットワークは、もう間もなく維持できなくなる。地域によっては既に事業者側の都合で「そちらの地域の集荷は週に2日しか行いません。お急ぎの荷物は配送センターまで持って来てください」など、人手がないことを前提とした運用をしているところもあるかもしれないけどね……。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

宅配便は今後10年で消滅する」への1件のコメント

  1. ピンバック: 宅配便はコンビニ受け取りですべて解決か? | 新佃島・映画ジャーナル

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中