日露首脳会談で大騒ぎしすぎじゃないの?

写真:朝日新聞デジタル

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 ロシアのプーチン大統領が来日して安倍首相と会談することについて、日本のマスコミはなぜかくも大騒ぎしているんだろうか? NHKのニュースでは興奮したアナウンサーが、プーチン大統領と安倍首相の一挙手一投足について事細かに生中継していた。

 この口調はどこかで聞いたことがある。何かと思ったら、そうだ、プロレスの実況放送だった。NHKのアナウンサーが、「プーチン VS 安倍」という世紀の対戦を興奮気味に伝えているわけだ。なんだろうね、これは。

 プーチン大統領が来日して安倍首相と会談すること自体は、日本にとって大きな外交的事件なのだろうと思う。それをニュースが大きく扱うのは当然だろう。でもそれを通常のニュースを放り出してまで、刻一刻と生中継しなければならなのか?

 日本の政府関係者の中には、「プーチンだって招待に応じて来日するからには何らかの手土産を持ってくるだろう。それは北方領土問題に関する大幅な譲歩か新しい提案だ」という期待もあったのかもしれない。もしもここで「領土問題について大きな進展あり!」ということになれば、この会談の歴史的な意義は大きなものとなる。

 でもそんなことは、情報が出てきた段階で速報のテロップを出せばいいし、会談の一部始終はあとから特番などで報じればいいだけのこと。プーチンと安倍首相の様子を生中継する意味とは、まったく関係のないことなのだ。

 僕はむしろ今回の大げさな報道に、首相サイドの巧みなマスコミ操作を感じる。政府はマスコミを焚きつけて、この日露首脳会談を「歴史的な会談」として過大に演出してみせたのだ。大国ロシアの大統領を迎える安倍首相の姿を国民に印象づけることで、安倍首相とプーチン大統領は同格同列のカリスマ的大物政治家だと国民にアピールしていたのだ。

 これで日露関係に大きな進展があれば、一連の演出も大成功して「安倍首相すごい!」ということになったのだろう。残念ながら、そうはならなかったんですけどね……。

 日本にとっては、とても残念なこと。そして安倍首相にとっても、残念なことでした。

 思い起こしてみると、安倍首相が日本中から注目されて「安倍首相待望論」が出てきたのは、2002年の日朝首脳会談からだったように思う。このとき小泉首相と共に北朝鮮に渡ったのが当時内閣官房副長官だった安倍晋三で、このことをきっかけにして彼は「ポスト小泉」の急先鋒になったのだ。

 そんなこともあって安倍首相には政権発足直後から「拉致問題の全面解決」が期待されたのだが、現時点で北朝鮮との外交関係には1ミリの進展も得られていないのだけれど……。

 まあ今回の日露首脳会談については、結果として何の華々しい成果も生み出せなかった。共同会見でも「今後も互いに仲良くしましょう」ぐらいの内容しか発表できていない。大山鳴動して鼠一匹どころか、その鼠にたかるノミが1匹出てきた程度のことでしょう。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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