終われない人 宮崎駿

終わらない人 宮崎駿

 NHKスペシャル「終わらない人 宮崎駿」が話題になっている。

 話題になったポイントはふたつあって、ひとつはドワンゴの川上量生会長が持ち込んだCGデモを見て宮崎監督がひどく立腹し、ボロクソにこき下ろされた川上会長が顔面蒼白でオロオロしたこと。もうひとつは短編CGアニメの製作を経て、宮崎監督が長編アニメ映画の製作に取りかかるらしいことだ。

 宮崎監督は引退宣言を出して引っ込んだ時から、長年のファンたちは「すぐに引退を撤回して復帰する」と言っていた。彼が引退をほのめかす言葉はこれまでにも何度もあって、そのたびに前言撤回して映画を作っているからだ。今回は『風立ちぬ』公開から丸3年以上たって「引退の撤回発表」となったわけで、これまでに比べればずいぶんと時間があいたもんだと思う。

 なぜ宮崎駿は引退しないのか。なぜ彼は自分の現役生活を終わりにしないのか。NHKの番組はそれを「終わらない人」と名付けたわけだが、僕は別の見方をしている。宮崎駿は「終わらない人」ではなく、「終われない人」なのだ。本人は「終わりたい」のだろう。「終わる」ための気持ちは充分にあるのだと思う。でも「終われない」のだ。

 それは彼自身の気持ちの中で、終われない部分がまだあるからなのだろう。体力がまだ多少は残っているうちに現役の最前線からは退き、あとは悠々自適に美術館の仕事をしたり、短編アニメを作ったり、漫画を描いたりして過ごせると思っていたのかもしれないが、そうは問屋が卸さない。彼はそんなことで自分の現役生活を終えることはできなかった。

 宮崎駿が今から長編映画を作るとしたら、それは彼にとって本当の意味で生涯最後の映画になるだろう。それを作りきったとき、彼はようやく現役生活を「終わる」ことができるのかもしれない。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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