ダルトン・トランボ:ハリウッドのブラックリストに挙げられた男

ダルトン・トランボ

 1940年代後半から1950年代に吹き荒れた、ハリウッドの赤狩り旋風。その中で最初に血祭りに上げられ服役した「ハリウッド・テン」の中心人物として、映画史の中に燦然と輝く名を残したのがダルトン・トランボだ。

 彼はハリウッドのブラックリストに掲載されて映画業界を追放されている間にも多くの原案や脚本を書き、そのうち2本の作品でアカデミー賞を受賞した。『ローマの休日』(1954)と『黒い牡牛』(1956)だ。多くの映画人を追放したブラックリストの壁を、最初にぶち破って映画業界に復帰したのもトランボだった。1960年に公開された『スパルタカス』と『栄光への脱出』で、正式にトランボの名前がタイトルに表記されたのだ。

 トランボはハリウッドの赤狩り開始と、赤狩り時代に追放された映画人の不遇、そして赤狩りの終焉を、ひとりで象徴している人物なのだ。

 本作はそのトランボについての簡潔な伝記。トランボの生い立ちを簡単に記述した後、彼の小説家や脚本家としての人生をたどっていく。活字も大きいしさくさつ読める。たぶん1日か2日で読み切れるだろう。記述の詳細さや資料的な価値を求める人には向かないが、トランボという人物の半ば伝説化した生涯を、簡単に知るという意味では良い本だと思う。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 読書

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中