もしPTAをしなくていい権利をお金で買えたら

もしPTAをしなくていい権利をお金で買えたら

 「もしPTAをしなくていい権利をお金で買えたら」というTogetterのまとめが話題になっていたので、簡単に目を通してみた。僕もPTAの委員をしていたとき同じようなことを考えたことがあるので、まあ世の中ではみんな同じようなことを考えているのだなぁ……と思った次第。

 僕が考えたのは、PTAの会員を役務負担のあるA会員と、負担のないB会員に分けるというものだった。A会員は委員や役員になる役務負担があるかわりに会費を安くする。B会員は負担なしで会費が高め。金額が年1万円かどうかはともかく、役職から免除されるかわりに会費を多く払うというのはまったく同じだ。

 しかしこれは、ちょっと考えるとまったく現実味がないことがわかる。Togetterのまとめの中にも指摘があるが、PTA会員の中にはクジやジャンケンで役職に当たっていても、結局はサボって会合に出て来ない人が必ずいるのだ。「役職負担ありのA会員」になったとしても、実際に役職が割り当てられれば仕事を完全サボタージュしてしまう人は必ず現れるだろう。これは「仕事を引き受ける覚悟を決めているA会員」にも、「役職負担なしで会費多めのB会員」にとっても、これまで以上の不公平感を生み出すだろう。

 この不公平感を解消するためには、PTAの執行部はサボっている人に無理矢理仕事をさせたり、B会員に移行してもらって会費を強制的に徴集するしかない。でもそんなことが可能だろうか? 結論から言えば、それはできっこない。そんな権限はPTAには存在しないからだ。

 PTAをしなくていい権利をお金で買うというアイデアは、シンプルなようでじつはそれほど簡単ではないのだ。それによって会員同士の不公平感が増し、現場の負担が増加してしまうのでは、話としてはまったくアベコベになってしまう。

 そもそも「PTAの仕事をしたくない」なら、余計にお金を払うまでもなく、PTAに加入しないのが一番シンプルだ。PTAは趣味のサークルと同じ任意の団体なのだから、参加したくなければ参加しないという方法だってある。日本の多くの学校ではそれを隠して、生徒の保護者なら必ずPTAに参加するという「強制加入」の方式を取っているだけだ。しかしこれは「違法」なのだ。

 PTAは学校とはまったくの別組織だ。学校に子供を通わせることと、保護者がPTAに参加することは、別の問題として考える必要がある。子供を学校に通わせるのは親の義務だが(義務教育)、親がPTAに参加することは義務じゃない。まずはその当たり前のことを、当たり前のこととして周知徹底すれば、「PTAの仕事をしなくていい権利をお金で買いたい」なんてバカげた話は出てこないだろう。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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