憲法主義

憲法主義

 憲法学者の南野森とAKB48の内山奈月による、対談形式の日本国憲法解説本。本文は横組み、2色刷りで、とても読みやすい。

 内容は2日間に分けて行われた講義(対談)のテープ起こしをほとんど編集していないというのだが、憲法条文をすらすら暗誦してみせる内山奈月が優秀すぎてびっくりする。あまり生徒が優秀だと、対談はひっかかりがなくてつまらなくなってしまうのが難点。話が余計なところに脱線したり滞ったりすることが、対談本の面白さでもあるんだけど……。

 憲法の基本原則や問題点などを要領よくコンパクトにまとめてあって、憲法の解説書としてはよくできていると思った。より専門的な内容に導くブックガイド、憲法条文の全文などもあって、憲法入門書として「最初の1冊」には悪くない。

 最初に単行本で発売されたのは2014年7月で、文庫化されたのは2015年11月。この間に安保関連法が成立しているのだが、この対談がその問題にあまり触れていないのは著者や編集者たちなりのバランス感覚なのかもしれない。憲法の「概説」や「概論」としての立場に徹して、個別の問題にはあまり深入りしないようにしているのだ。

 そこに物足りなさを感じる人もいそうだが、あまり時事的な話題に触れていないことで、これは少し息の長い本になりそうだ。今後は自民党を中心に改憲論議が始まりそうだが、その前に一度目を通しておいてもいい本だと思う。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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