キリスト教のリアル

キリスト教のリアル

 ポプラ新書の新刊「キリスト教のリアル」を読み終えた。著者はキリスト新聞の編集長でもある松谷さん。Ministryやキリスト新聞では僕の担当編集者でもあります。今後ともよろしく。

 というわけで今回の本ですが、著者はキリスト教系出版社に勤務しているにもかかわらず、これがポプラ社という児童書で有名な一般書店から出ているのがユニーク。これは「キリスト教とはあまり縁のない方々にキリスト教のリアルな現状を知っていただこう」という内容なので、これはこれでいいんだと思います。

 本書の特徴は全体の3分の2以上を、現役牧師や神父たちによる座談会が占めていること。著者の松谷さんは議事進行役になって、教派も年齢も性別も異なる4人の教職者(神父と牧師)が、それぞれの所属教会の特徴や、仕事や私生活上の悩みなどを赤裸々に語り合っています。この中ですごいと思ったのは、神父や牧師が月々いくらに収入を得ているかという話が、結構生々しい数字を出して語られている部分だったりしますが……。

 タイトルは「キリスト教のリアル」だけど、本の内容は帯の表面に書かれている「知られざる『日本のキリスト教』」より、帯の裏側に書かれている「知られざる牧師・神父の謎」というのがピッタリ。これは「キリスト教のリアル」ではなく、むしろ「日本のキリスト教聖職者たちのリアル」だったりするわけです。

キリスト教のリアル(裏表紙)

 日本のキリスト教人口は1%未満。この本のカバー裏表紙部分には、「日本人の0.8%しか知らない『キリスト教』」と書かれています。しかしその0.8%の人たちも、牧師や神父が普段どんな暮らしをしているかはほとんど知らないでしょう。そうした点で、この本は「キリスト教を知らない普通の日本人」よりもむしろ、「キリスト教に多少なりとも関わっている人たち」の方が面白く読めるのではないかと思います。

 それにしても、晴佐久神父の元気なこと。「信者の数は福音を語った数に正比例します」とか、「これまで28年間の経験で、信者が減るという経験をしたことがありません」とか、自分の司牧しているカトリック多摩教会について、「本当に苦しみにとらわれていた人が、目の前で解放されて喜びの涙を流す現場をこれほど日常的に見られる教会は、多摩教会においてほかにない」と臆面もなく自慢できてしまうところはすごいなぁ……。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 読書

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