人口大減少時代を迎える日本

我が国人口の長期的な推移

 BLOGOSに掲載されていた野田聖子議員の会見記事を読んだ。記事の中で紹介されていた人口推移の予想グラフが面白かったので、国交省のウェブサイトから元データをダウンロードして自分でグラフにしてみた。

 グラフの左軸は百万人単位の数値になっている。元データは西暦700年からの人口データを掲載しているが、このあたりは当座のデータとしてあまり関係なさそうなので、江戸時代が始まる1600年からのデータにしてある。

 江戸時代初期の人口は1千万人程度。それが右肩上がりに上昇して、1720年前後(将軍吉宗の頃)に人口3,000万人ぐらいで安定する。ここから明治維新頃まで150年間、日本の人口はあまり変わらない。しかし明治以降は一気に人口が増え、2000年代にピークとなる。そして現在は下降時期に入っているわけだ。

 安倍総理は「希望出生率1.8の実現」を当面の目標に掲げているが、それを早々に実現しないと日本の人口は坂道を転げ落ちるように……どころか、崖を転落するように減っていく。「希望出生率1.8の実現」の後には、50年後の人口1億人維持と人口の安定化があるわけたが、このグラフを見る限り、日本の人口を1億人程度で安定的に維持するのは、かなり困難なことだと考えざるを得ない。

 国交省の予想通りに人口が推移すると、2050年には人口が9,700万人になり、1億人を割り込んでしまう(中位推計)。人口のピークは2010年の1億2,800万人なので、ピークの4分の3になってしまうわけだ。2050年は遠い未来ではない。今から35年後だ。僕もまだ生きているかもしれないし、僕の子供たちの世代はみんな生きている。

 安倍内閣が「人口1億人維持」を目指している2065年は、人口推計だと8,140万人。ピーク時の3分の2以下だ。人口ピークの2010年に生まれた子供は、この時まだ55歳でしかない。その人がまだ働き盛りの時期に、日本の人口の3分の1がいなくなってしまう。いったいどんな消失イリュージョンなんだ……。「ゾウを消せ」とか「エッフェル塔が消えます」どころの話じゃないよ。

 現在日本人の平均寿命は男性が80歳、女性が87歳ぐらい。2010年生まれの女の子が平均寿命まで生きると、その時に日本の総人口は5千万人近くまで減少している。なんとピーク時の4割以下になっているのだ。

 ひとりの人間が生まれて死ぬまでの間に、人口が6割減ってしまうってどんな事態なの? そんなことってあり得るの? 14世紀にヨーロッパでペストが大流行した際、ヨーロッパの人口の3分の1から3分の2ぐらいが減少したと言われている。それと同じことが、疫病の大流行などないままに起きるのが21世紀の日本なのだ。これはとんでもない話だよ。でも国交省の推計値は、「それが日本の未来なのだ」と言っている。

 僕自身は「希望出生率1.8」の早期実現は無理だと思っているし、50年後の人口1億人維持はまったく不可能だと思っている。不可能を可能にするのは「奇跡」しかない。神頼みだ。しかしその奇跡が起こらないことには、日本は完全に破滅するだろう。

 はっきり言って、オリンピックに1兆8,000億円なんて大散財をしている余裕が、今の日本にあるはずがないんですけどね……。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

人口大減少時代を迎える日本」への1件のコメント

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