電子書籍と紙の本の違い

新約聖書(新共同訳)

 知り合いの編集者と新しい仕事の打ち合わせをしている時に、電子書籍の話になった。だいたい次のような話。

  • 電子書籍は紙の本に比べると読みにくい。これは電子書籍の普及で世界をリードしているアメリカでは既に常識になっている。

  • どんどん増えて行くマンガ本は本棚の場所を取らないという点で電子書籍向きのようにも思えるが、ページをぱらぱらめくってランダムアクセスできないためひどく読みにくい。

  • マンガはすべてのページが「画像」として処理されているので、電子書籍の強みである検索機能が生かせない。

  • 昔読んだマンガの「あの場面がまた読みたい」と思っても、電子書籍だと該当場面が探せない。

  • 本を読んでいて確認のため数ページ戻ることはよくあるが、紙の本なら1秒でできるこの作業に電子書籍はひどく手間取る。

  • 電子書籍が安いのは印刷代や流通経費がかからないからではない。電子書籍は読みにくいので、同じ値段ならみんな紙の本を買ってしまうからだ。

  • 電子書籍が紙の本を駆逐するかのような威勢のいい話は、もうまったく聞かれなくなっている。電子書籍は出版市場の3〜4割で頭打ち。電子書籍と紙の本の棲み分けが行われている。

  • 紙の本がなくなることはないが、電子書籍がなくなることもないだろう。

  • 電子書籍は小説のように、冒頭から脇目も振らず一直線に読み進める本には向いている。しかし本の中の数カ所を参照するため、ランダムにアクセスするものには向かない。

  • 聖書の通読をするなら電子書籍は便利。聖書を持ち歩くのは重たいが、電子書籍ならその重みや体積から解放される。さらに電子書籍端末でも、タブレットでも、スマホでも、パソコンでも、時間があいたときにどんどん続きを読み進められる。

  • 日本聖書協会は新共同訳聖書の電子書籍版(Kindle版)を出すべき。(現在は新約聖書だけ出ている。)

  • 分厚いボリュームが全部納められるのが電子書籍の利点なので、旧新約聖書の合本や、旧約聖書続編付きの電子書籍をそこそこの値段で出せばいい。(英語圏ではそれが常識だ。)

 他にも仕事関連の話をしていたのだが、仕事の話よりこういう雑談の方が面白かったりするんだよな……。

 午後はソニーでロバート・ゼメキスの新作『ザ・ウォーク(3D・字幕版)』の試写。1974年8月にニューヨークのワールドトレードセンターの屋上に無許可でワイヤーロープを張り、2棟のビルの間で綱渡りをした実在の大道芸人の伝記映画。

 彼については『マン・オン・ワイヤー』(2008)というドキュメンタリー映画が作られていて、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞している。たぶんゼメキスもこの映画を観て今回の映画を企画したのだと思う。3Dの立体効果がじつに効果的に使われているのも素晴らしいのだが、この映画でワールドトレードセンターが精密に再現されているのも見どころ。2011年にテロで破壊されたビルに対するオマージュだろう。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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