日本の人口維持に外国人は必要

総人口の推移

画像:総務省統計局

 国連で日本の難民問題に対する取り組みについて演説した安倍首相は、その後の質疑で日本の難民受け入れの可能性について問われると、「国際社会で連携して取り組まなければならない課題だ。人口問題で申し上げれば、移民を受け入れるよりも前にやるべきことがある」と述べたらしい(参照)。

 なんだかガッカリする話だ。難民というのは何らかの事情で祖国を離れ他国に避難する人たちであって、いずれ祖国の正常が安定すれば帰国するのが前提だ。もちろん祖国の政治体制が変わったり、祖国が喪失したりして帰国がかなわない人たちも多いわけだが、それは二次的な問題だろう。難民は移民ではない。難民の受け入れは、移民の受け入れとは別問題なのだ。

 日本は人口減少への対策として移民の受け入れが常に検討課題として取りざたされるのだが、少なくとも日本の場合、難民受け入れは人口対策にならない。

 総務省統計局のデータによれば、今年4月の確定値で日本人の人口は1億2,527万5千人。これは昨年同時期に比べて27万人の減少だ。一方、昨年1年間で日本への難民申請は5,000人で、実際に難民として認定されたのはわずか11人だったという(参照)。仮にこの5,000人がすべて難民認定されて日本に定住したとしても、27万人の人口減少に対しては焼け石に水だ。人口対策として移民を受け入れるなら、申請される難民とは別に移民を大がかりに受け入れる必要がある。

(ただし日本に難民申請が少ないのは、日本が難民受け入れに消極的だという理由もあるだろう。日本が本格的に難民受け入れに門戸を開けば、申請数はあっという間に数倍に膨れ上がる可能性もある。)

 ところじ同じ統計局のデータを見ると、今年4月の日本の総人口は1億2,693万9千人。日本人の人口との間に166万4千人の差異がある。これは日本で暮らす外国人の数だ。そして外国人も含めた総人口では、昨年から今年にかけての人口減少は19万人に抑えられている。日本人は27万人減っても、外国人が8万人増えて減少幅が鈍化しているのだ。

 日本で暮らす外国人は確実に増えている。日本が今後人口減少のカーブをゆるやかに保とうとするなら、外国人に頼らなければならない場面はますます増えるに違いない。より多くの外国人に日本に来てもらい、できれば定住して納税者になってもらうことが求められている。

 もちろんこれ自体は移民問題とはまた別なのだが、旅行者、長期滞在者、永住者の他にも、日本で暮らす外国人にはもっといろいろなパターンがあっていいはずなのだ。移民は人数も大した数がいるわけでなし、日本でも積極的に……とは言わずとも、もっと柔軟に受け入れていいはずだ。移民についても、少しずつ受け入れて行くべき時期に来ていると思うけどね。

 とりあえず、安倍首相はシリア難民について「日本でも3,000人受け入れます」とか「5,000人受け入れます」「1,000家族受け入れます」などと大見得を切ったってよかったはずなのだ。それが実際に可能かどうかはまた別問題だけど、安倍首相はオリンピック誘致で「福島の放射能は完全にコントロールされている」と言い切った人なんだしね。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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