子供を産んで国家に貢献?

菅義偉

 安倍首相の「新三本の矢」が掲げる「50年後にも人口1億人維持」や「希望出生率1.8の実現」はまず無理だろう……という記事をここ何日か書いていたら、テレビ番組に出演した菅義偉官房長官が問題発言。

 福山雅治と吹石一恵の結婚について、「この結婚を機に、ママさんたちが一緒に子供を産みたいとか、そういう形で国家に貢献してくれたらいいなと思っています。たくさん産んで下さい」と発言したらしい。

 これはこれで問題だとは思うのだが、じつは「出産は国家に対する貢献である」という考えは管官房長官だけでなく、自民党議員の一部(あるいは大多数)が持っている感覚であるらしいのだ。

 例えば昨年3月には自民党の二之湯智参議院議員が、与党の代表質問の中で「結婚しているのに子供を持つことが社会人としての義務だと考えない人たちが増えている」ことを問題視し、「子供を産み、立派に育てることが国家に対する最大の貢献」だと発言しようとしたところ、これを事前に公明党にたしなめられて修正したという話があった(参考)。

 言うまでもなく、人口減少とそれに伴う超高齢化社会の到来は日本にとって最大の「存立危機事態」なのだ。この問題が解決しないことには、超高齢化による社会保障費の増大、労働人口減少による生産と消費の落ち込み、税収の減少による財政破綻、国家債務の国民の生活と安全に関わる警察・消防・国防などの従事者が確保できなくなるなどの弊害が生まれる。僕は集団的自衛権行使容認による徴兵制は心配していないが、日本の人口減少による徴兵制は十分に考えられると思っているぐらいだ。

 だが日本が抱える問題の多くは、少子化さえ解消すれば問題にならないものであったりする。子供が増えたからといっていきなりそれが労働者となり納税者になってくれるわけではないが、子供を持つ家庭は子育てにかなりのお金をかける。衣料品、おもちゃ、学用品、学習塾、習い事、食費も増える。住居も広いところに引っ越したくなるし、大きな車もほしくなるだろう。それらは回り回って日本の経済を潤すのだ。

 子供は社会に貢献している。子供を産む親だって社会に貢献している。だから「出産は国家に対する貢献である」という考えは、ひとつの事実としては間違っていない。「子供は社会の宝」なのだ。ならばなぜ、これが問題発言になってしまうのか……。

 それは結局、国家の側が「子供を持つ家庭」に負担を押し付けて、国家の側からは何もしてくれていないからではないのか。「結婚して子供を産むのが社会人としての義務だ」「子供を産んで国家に貢献しろ」などと言う国が、子供を持つ家庭や親に一体何をしてくれるんだ? 自分たちは何もしないくせに、「義務」だの「貢献」だのという言葉で何とかしようとするのは虫がよすぎないかねぇ……。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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