希望出生率ってなんだ?

新三本の矢

 安倍政権が「新三本の矢」という政策を発表したのだが、その中に『少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も、人口1億人を維持する』『希望出生率1.8の実現』というものがあった。

 希望出生率というのは耳慣れない言葉なので何だろうと思ったのだが、これは現時点で国民の希望が叶った場合の出生率のことだそうだ。

 現在の合計特殊出生率は1.4ぐらいなのだが、アンケートを取ると、夫婦の「理想の子ども数」や「予定子ども数」、独身女性の考える「理想の子ども数」などがすべて2人を超えている。実際には結婚しない人もかなりいるので、これらを差し引くと、すべての人の希望が叶った場合は出生率1.8が期待できるのだそうだ。(参考PDF

 これは女性に対して「どんどん子供を産め」という数字ではなく、「子供がほしければどうぞ産んでください」「子供がいらないと思う人に無理強いするつもりはありません」という数字だ。ただし誰にでもわかることだが、出生率1.8では人口は維持できない。どんどん減っていく。人口が一定して増えもしなければ減りもしないレベル(人口置換水準)を維持するには、出生率2.07〜2.08が必要らしい。

 これは政府もよくわかっていて、『家族を持つことの素晴らしさが、「実感」として広がっていけば、子どもを望む人たちがもっと増えることで、人口が安定する「出生率2.08」も十分視野に入ってくる。』と説明しているのだが、どうかなぁ……。

 いずれにせよ、政府の泥縄式の対応では『希望出生率1.8の実現』は困難だと思う。かけ声だけで出生率は上がらない。具体的な予算配分なしには、『待機児童ゼロを実現する。幼児教育の無償化も更に拡大する。三世代の同居や近居を促し、大家族で支え合うことも応援したい』と言っても絵に描いた餅なのだ。

 自民党は民主党政権時代の政策について、「口先ばかりで結局何も実現できなかったではないか」と批判する。でも少子化対策については、自民党もまったく無為無策のまま今に至っていると思う。

 『少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も、人口1億人を維持する』なんて絶対に無理だ。でも現在の国会議員は50年後にはもう誰も生きていないだろうから、これについては誰も非難されないんだろうな。だったらせめて、『今1.4程度に落ち込んでいる出生率を、1.8まで回復できる』のがいつなのか、具体的に時間を区切って国民の前に提示してみればどうだろうか?

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

希望出生率ってなんだ?」への2件のコメント

  1. ピンバック: 新三本の矢は荒唐無稽なおとぎ話だ | 新佃島・映画ジャーナル

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