アリバイ工作のための野党に存在の意味なし

 安保関連法案の強行採決について、「民主主義は多数決だ」とこれを正当化する人たちが結構いる。まあ最後の最後は多数決でもいいんだけど、現在の日本の国会は「数が多いものが勝つことはわかりきっているんだから、少数野党は文句を言うな。そんなものは時間の無駄だ!」とでも言わんばかり。でもそれは、民主主義じゃないだろう……。

 「多数派が必ず勝つんだから少数派は文句を言うな」が民主主義だと言うのであれば、少数派が議会に存在する意味がない。国会でさまざまな質疑をしたり、採決をする意味もない。そんな無駄なことをして時間を空費させるよりは、政権与党が独断専行で何でも決めて、何でも好き勝手にやってしまったほうが手間が省ける。

 何なら選挙で結果が出た時点で、国会にいても無駄な野党議員は全員クビにしてしまえばいい。それによって国会審議の時間が不要になって国政運営がスピーディになり、クビにした議員分の歳費が浮いて国民の負担も軽くなる。

 「民主主義は多数決だ」「多数派が必ず勝つのだ」が正しいのだとしたら、そういう方法もありだろう。だが実際にはそうはしない。なぜなら、民主主義は多数決ではないし、多数派が必ず勝つとは限らないからだ。少なくともそれが、議会制民主主義の大原則だろう。

 与野党の議論の中で、法案に不備が見つかって廃案になることがある。途中で法案が修正されることもある。それが国会での議論の役割だ。今回の安保関連法案をめぐる国会審議では、そうした野党の役割がまったく発揮されなかった。与党は自分たちの提出した法案に固執して不備を認めても廃案などまったく考えなかったし、修正にも応じなかった。

 こんなことが平気でまかり通るようでは、国会での議論なんてまったく意味がない。国会は「議論をしました」「野党の意見も聞きました」というアリバイ作りの場でしかない。最後に与党の意見を通して、「野党の皆さんもその場にいましたよね?」「言うべきことは野党だって言ったでしょ?」「その結果採決を取ったんだから問題ないよね?」というアリバイ工作のために、野党は利用されているだけなのだ。

 だったら野党はそれを拒絶して、与党が好き放題に運営する国会をボイコットすればいい。「あんたらは、国会にいてもいなくても同じです」と与党側は言っているんだから、野党の議員は全員が議員辞職しちまえばいいんだよ!

 それができないのは、野党の側も野党の側で「わたしたちは一生懸命やっているんです」というアリバイ作りのために国会審議に参加しているからではないのか? 「やれることはやりました。この努力を認めてくださいね」という有権者に対するアピールだ。

 与党もアリバイ工作なら、野党もアリバイ工作。そのために国会で大騒ぎしているんだとしたら、それはいずれにせよ国民不在の茶番劇だよな。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中