参議院は貴族院に復するべし

貴族院の看板

 15日に行われた参議院「安全法制特別委員会」の中央公聴会で、SEALDsの奥田愛基さんは目の前に並ぶ国会議員たちに対して次のように訴えた。

 どうか、どうか政治家の先生たちも、個人でいてください。政治家である前に、派閥に属する前に、グループに属する前に、たった一人の『個』であってください。自分の信じる正しさに向かい、勇気を持って孤独に思考し、判断し、行動してください。

 この訴えに「そうだそうだ!」と共感した人は多いと思うし、僕も同じように感じていた。だが同時に、国会議員たちが国会で個人として振る舞うことは不可能だとも確信していたのだ。なぜなら衆院でも参院でも、国会議員は所属政党に殺生与奪の権限をしっかり握られているからだ。

 参院は「良識の府」だと言われている。衆院と違って解散がないため、任期6年の間にじっくりと政策や国会の審議に専念できる……ということらしいのだが、その参院だって任期が終われば選挙が待っている。その選挙では、政党の公認を得るか、推薦を得なければ当選がおぼつかないという議員がほとんどなのだ。だから必然的に、国会議員は党の意向に逆らえなくなる。

 戦前の参議院はこうではなかった……。いや、戦前に参議院はない。戦前の国会も二院制だったが、現在の衆議院と参議院ではなく、衆議院と貴族院の二院制だった。現在は参議院も衆議院も議員は選挙で選ばれるが、戦前の貴族院は選挙なしの終身議員だ。議員になるのは、皇族、華族、各界の名士、学者、高額納税者、そして朝鮮や台湾などの植民地代表だった。

 貴族院のメンバーは「上流階級」に偏っている。そういう意味では、国民の代表とは言いがたいかもしれない。しかし貴族院には選挙がない。政党という概念もない。そのため、議員たちは自分たちの信念に従って好きなことが言えた。戦時中も政府の方針にしばしば反対したのは貴族院だったというし、まさに「良識の府」として機能していたのだ。

 戦後日本の二院制は、衆参どちらも選挙で選ばれる議員なので、性格に違いがまったくない。参院が衆院のカーボンコピーと言われるゆえんだ。僕は参議院を「良識の府」に戻すためには、参議院に貴族院的な性格を与えた方がいいと思うんだけど……。

 具体的に、例えば次のようにする。

  • 参議院議員は任期のない終身議員とする。
  • 参議院議員は政党に所属しない。
  • 衆議院の多選議員は自動的に参院議員とする。
  • 知事経験者などを各都道府県代表として参議院議員にする。

 多選議員を参議院議員にすると、選挙を支える地元の後援会組織が解体されて、議員の世襲が生じにくくなるかもしれない。議員を解任する方法がないので、問題議員を辞任させる何らかの方法を考える必要があるけれど……。ま、それは些末なことだよね。

 こうして参院から選挙を消し去るかわりに、衆議院は徹底的に1票の格差の解消につとめる。全国をいくつかのブロックに分けて(道州制のレベル)、その中で完全比例代表制にすればいい。各ブロックの議員定数は、常に最新の国政調査の結果を反映させればいい。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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