マイナンバーカードで税金還付? ご冗談でしょう!

マイナンバーカード

 2017年4月に消費税率が10%になるのに合わせ、食料品などに軽減税率を導入しようという話が進んでいるらしい。買物時点で商品によって税率が違い、基本的に全部内税表示というのが消費者にとってはわかりやすいのだが、麻生財務大臣はこれを「面倒くさい」と一蹴。

 現在検討されているのは、小売の段階では消費者から一度10%の消費税を徴収した上で、その買い物の記録をマイナンバーと紐付けして記録。これを年度末に合算して、2%分を上限4,000円まで還付しようという案だそうだ。軽減税率の対象になるのは「アルコール以外のすべての飲料と食料品」なのだという。

 これってすごく面倒くさいと思うんだけど、役人や政治家はこれでいいと思っているんだろうか?

 そもそも上限4,000円の根拠がわからない。2%の税率で4,000円の還付を受けるためには、20万円分の買物が必要になる。これで消費税(10%)が2万円となり、そのうち4,000円(2%分)が還付されるわけだ。でも夫婦に子供ふたりぐらいの家庭なら、一家の食費が1年で20万円超えることなんてざらにあるよ。だってこれ、1ヶ月の食料品代が平均16,667円(税抜)を超えたら、もう還付の対象をオーバーしてしまうんだよ。こんなのすぐ超えちゃうじゃん!

 これを避けるためには、買物ごとに使用するマイナンバーを変えればいい。4人家族なら4,000円×4人分で、16,000円の還付を受けられることになる。でも一家の主婦が、夫や子供のマイナンバーカードを使って買物するのは法的に許されるんでしょうかね? これってマイナンバーの主旨に、あからさまに反すると思うんだけど……。

 軽減税率導入で小売店が税率を変えて値札を付ける場合は、小売店側の負担が大きくなるという意見がある。でもマイナンバーと紐付けして還付を行う場合は、どのみち小売段階で「誰が何をいついくらで買ったのか」を記録しなければならない。つまり小売段階で既に複数税率になっているのと同じこと。小売店の手間は、マイナンバーと紐付けしてあろうとなかろうと変わらないのだ。

 マイナンバーは好むと好まざるとに関わらず全国民に割り付けられてしまうのだが、マイナンバーカードを発行して持ち歩くかどうかは国民の自由な選択に任されていたはずだ。だが「マイナンバーがない場合は税の還付を受けられません」となれば、理屈の上では子供から年寄りまでほとんど全国民がカードを持ち歩く必要に迫られる。

 子供が近所の駄菓子屋で買い物するときにもいちいち本人のマイナンバーカードが必要になるし、還付を受けるために煩瑣な手続きを強いられることになる。

 また軽減税率の対象は、道端の自動販売機で売られているお茶やジュースにも及ぶ。日本中にいくつの自動販売機があるのか知らないが、それらにすべてマイナンバーの読み取り装置を取り付けるのだろうか?

 以前JRの駅ホームにある売店でICカードでの精算ができないと怒っている人がいたが、軽減税率が導入されると駅の売店で菓子パンや牛乳を買うときも、いちいちマイナンバーを提示してそれを読み取り機に通さなければならないのかな?

 まったくバカげている。あり得ない。こんなことは到底実現不可能だ。そんなことは素人がちょっと考えたって、すぐにわかるだろう。

 ではなぜこんな話が今このタイミングで出てきたのか?

 それはことさら面倒なシチュエーションを設定することで国民をウンザリさせることが目的だ。それによって、どこか別の着地点に国民を誘導したいのだ。それは「だから軽減税率なんて面倒なものはやめましょう」だと思うんだけどな……。

 まあ僕は最初から軽減税率には反対で、低所得者向けには所得控除の額を増やすとか、所得税の税率を下げるとか、いくらでも他の方法で消費税の逆進性を是正する方法はあると思っているんだけどね。軽減税率の導入には公明党が熱心なんだけど、公明党はむしろそうした形での逆進性是正、低所得者対策を検討した方がいいよ。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中