洋画と邦画の市場シェア

洋画と邦画の市場シェア

 映連のウェブサイトで公表されている日本映画産業統計をもとに、邦画と洋画の市場シェアをグラフにしてみた。各年度の売り上げ(1995年から1999年までは配収、2000年以降は興収)を100%として、邦画と洋画の取り分を示したもの。このデータ自体は映連のサイトでも百分率で示してあり、グラフはその数値をそのまま使っている。

 邦画のシェアは1960年の78.3%をピークに下降していたが、2002年に27.1%で底を打ってからは上昇に転じている。年度によって上下動はあるが、2014年までのデータを見る限りではいまだ上昇トレンドにあるように見える。ただし今年は洋画のヒット作も多いので、2015年のデータが発表されると、トレンドが転換していることがわかるのかもしれない。

映画の公開本数

 ついでに映画公開本数のグラフも作ってみたのだが、昨年は邦画も洋画も公開本数が史上最高になっている。特に邦画は映画人口がピークだった1950年代の終わりから公開本数が年々減る傾向にあったのだが、1990年代に入るとこれが転換して、2000年代に入ってからはうなぎ登りに本数が増えている。シネコンの番組拡充のため、低予算のインディーズ映画やドキュメンタリーなども劇場公開するようになったためかもしれない。

 洋画の本数が急激に増えたのも同じような理由かもしれないが、公開本数のピークが1990年頃にもあるところからは、これが円高の影響である可能性もうかがえる。(1980年代は家庭用ビデオの普及時期でもあり、ビデオメーカーは国内のソフト不足を補うために海外作品を買いあさっていたのだ。円高がそれに拍車をかけた。)最近は一時期の超円高が少し落ち着いているので、今年から来年にかけて洋画の公開本数は少し減ってくるかもしれない。

 ここ10年ほど映画界は「邦画バブル」「邦高洋低」などと言われていたのだが、グラフを見る限りではまだバブルは継続中……という気がする。ただ映画製作の現場は公開から数年先行して企画準備を始めているわけで、そのあたりの感覚がグラフに反映してくるのはもう少し後になるのかもしれない。

 ただ長い目で見ると、やはり日本の映画ファンは日本映画が好きなんだと思う。映連の資料は1955年(昭和30年)以降しかないのだが、それ以前もやはり日本の映画市場は邦画の方が大きなシェアを占めていたのだ。こういうものに「適正な水準」というものは存在せず、すべては市場の原理で決まって行く。しかし邦画シェアが3割を切るというのは、やはり行き過ぎだったのだと思う。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中