五輪エンブレムの使用を中止させるには

オリンピック・エンブレム

 2020年オリンピックのエンブレムに端を発した、デザイナーの佐野研二郎に対するバッシングが止まらない。「エンブレムのデザインを取り下げろ」という意見も多いのだが、問題のエンブレムについては使用するかしないかの権限が既に日本オリンピック委員会(JOC)や日本パラリンピック委員会(JPC)、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020)などに移っているだろう。

 「エンブレムは盗作でした」とデザイナーが言い出すならともかく、そうでないならデザイナー側がこれを「使用しないでほしい」と言う筋合いではなく、外部の第三者が「こんなエンブレムは嫌だ!」と言うのであれば、デザイナーに対してではなく、これらの3団体に対して使用中止を申し入れるべきだと思う。

 僕自身はオリンピックのエンブレムは盗作ではないと思うし、それについてはエンブレムの審査を担当した永井一正も同じように断言している。永井一正は1964年東京五輪のデザイン作業にも参加し、1972年の札幌五輪のエンブレムもデザインしているデザイン界の重鎮だ。さまざまな一流企業のロゴマーク、シンボルマークなどを、この人ほど大量にデザインした人はいないのではないだろうか。日本のソウル・バスみたいな人と言えば、わかる人にはわかるかな……。

 でもわからない人には、何を言っても永久にわからない。永井一正の発言も、ネットの中では「身内によるかばい合い」「責任逃れ」「隠蔽工作」「晩節を汚した」などと言いたい放題に言われている。聞く耳持たないというか……、そもそも最初からわかる気がないのだろう。

 ネットの中で指摘されている佐野研二郎の「パクリ疑惑」については、なるほど似ていると思うものも多いし、サントリーのトートバッグのように本人がトレースや素材の無断使用を認めて使用を取り下げたものもある。しかし「似ているからマネだ」の中には誤解にもとづく非難や難癖としか思えないものもあって、このような批判が認められてしまうと、佐野研二郎個人だけでなく日本のグラフィックデザイン自体が萎縮してしまうだろうなぁ……と他人事ながら心配になってしまう。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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