デジタル教科書のセミナーに行ってみた

東京書籍のデジタル教科書カタログ

 JEPAが主催するデジタル教科書についてのセミナーに行ってきた。今回は大手教科書会社の東京書籍が、自社のデジタル教科書の内容紹介や技術的な工夫をしている部分を紹介していた。

 僕の子供時代は当然全部教科書はアナログだったが、それがデジタルになるとどうなるのか……という興味がまずあったが、内容的には20年前の「マルチメディアソフト」みたいなもの。もちろん内容的にはずっと洗練されているし(使用するパソコンやタブレット端末の画素数が昔とは桁違いだ)、技術的にも新しいものを使っている。例えば教科書本文を、合成音声で読み上げる機能があったりするわけだ。

 でも一番気になるのは、これってすごくお金がかかっているよなぁ……ということ。紙の教科書をただ単にデジタル化したわけではなく、デジタルならではの機能がものすごく付け加えられているので、開発に相当のコストがかかっていることが一目瞭然なのだ。小中学校は義務教育だから、教科書は無料で子供たちに与えられることになっている。であればこそ、一部の「IT教育推進校」などにこれらの教材がじゃぶじゃぶ投入されているのだろう。デジタル教科書がいくら高かろうが、購入費は税金だから保護者は文句を言わない。

 ただ今回のセミナーの内容を見る限りにおいて、デジタル教科書はまだ試行錯誤をしている真っ最中なのだという印象も受けた。開発担当者が盛んに「これを叩き台にして次につなげたい」という言い方をしているのだ。それはこの分野がまだ未開拓だということであり、同時にまだまだ伸びしろがある分野でもあるという意味なのだろう。

 デジタル教科書自体はとても面白いもので、子供が興味を持ちそうな内容に仕上がっていると思う。教科書会社の長年のノウハウもあるし、デジタル教科書が登場して数年たつので、現場教師からのフィードバックが教材の中に反映している部分もある。これで勉強する今どきの子供たちがうらやましい。それは確かだ。

 でもこれを使うことで紙の教科書に比べてどのくらい学力が伸びるのかや、それが紙の本を大きく上回る教材コストに見合うのかについては、今後検証したり議論していくことになるのではないだろうか。もし「デジタルの方が良い」ということがきちんと確認されれば、「教育機会の平等」という点で教科書は一気にデジタル化に突っ走ると思う。

 だが子供たちが使うタブレット端末にしたところで、高精細の大型スクリーンが付いていて、タッチペンで文字認識させて……といったことを考えると、それなりのスペックが要求されるのだ。紙の教科書とノートに比べれば、何倍どころではなく、何十倍ものコストがかかることは誰にでもわかる。しかもそのタブレットはおそらく消耗品で、3年もすれば次のものに買い替えることになるだろう。(まあ毎日使うものだから、十分にもとは取っているとも考えられるけどね。)お金がかかってしょうがないよなぁ……。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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