「ヒストリエ」は終わらないと思う……

ヒストリエ9

 岩明均の「ヒストリエ」9巻が出たので読んだ。連載開始が2003年だからもう10年以上続いている作品なのだが、出た単行本はたった9冊で、しかもいまだに1巻冒頭で出てきたエピソードが伏線として回収されていない。物語はいまだ序盤であって、これから先、どれだけ続くかわからない。

 今回はマケドニア軍とアテネ・テーベ連合軍によるカイロネイアの戦い(紀元前338年)が始まるまでが描かれているのだが、この戦いでマケドニアの王子アレクサンドロスは初陣を飾って歴史の表舞台に飛び出して行く。2年後にフィリッポス2世は暗殺されて、アレクサンドロスがマケドニア王に即位。要するに「ヒストリエ」はまだ大きなドラマの序章を描いているに過ぎない。

 「ヒストリエ」は滅法面白い歴史漫画だが、おそらく完結しないのだろうなぁ……と僕は思っている。どこかで疾風怒濤の急展開でもあれば別だが、それでは後につながりそうな伏線的エピソードを随所に散りばめてきたのがすべて回収できなくなってしまう。まあそれならそれでも、一向に構わないのだけれど……。

 以前に比べて、現在は漫画作品の長編化が著しい。単なる長編化ではない。大長編化だ。「ジョジョの奇妙な冒険」は1987年から連載が始まってまだ連載中だし、「はじめの一歩」は1989年から、「名探偵コナン」は1994年から、「ONE PIECE」は1997年から連載中だ。まあ少女マンガに目を移せば、「ガラスの仮面」のように1975年から40年連載してまだ終わらないというバケモノみたいな作品もあるけどね……。あ、「風雲児たち」も1979年からスタートだな。

 これらは一話完結型で延々連載が続いていく、「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」のような作品ではない。大きなひとつの物語を、延々ずっと展開させていてこの大長編になってしまっているのだ。「NARUTO -ナルト-」は1999年からはじまった連載が2014年に終わってニュースになったが、「ガラスの仮面」や「ジョジョの奇妙な冒険」が終わったら、いったいどれだけのニュースになるんだか……。

 いや、たぶんこれらの作品のうち何本かは、連載が終わらないまま終わってしまうんだと思う。「ガラスの仮面」なんて、ファンの多くは連載完結をもう諦めていると思うけどね。それでもフォローし続けるのは、物語の圧倒的な面白さがあるからなのだ。

 「ヒストリエ」も同じで、たぶんこれは終わらない。終わらないけれどフォローし続けざるを得ない面白さが、この作品にはあると思う。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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