「絵本で学ぶイスラームの暮らし」を読む

絵本で学ぶイスラームの暮らし

 少し前に新聞の広告で見て面白そうだと思っていた本を、図書館で見つけたので借りてきた。著者は昨年「住んでみた、わかった!イスラーム世界 目からウロコのドバイ暮らし6年間」という本を出した松原直美という女性で、今回の「絵本で学ぶイスラームの暮らし」もドバイで暮らすアラブ人一家の物語になっている。

 イスラームの教えについて「経典であるクルアーンにはこんな教えがあって」とか「創始者である預言者のムハンマドがこんな経験をして」という文献的・歴史的な文脈で語らず、ひとりのアラブ人少年の日常生活を通して生活の中に浸透しているイスラームを紹介していくという構成。

 海外の学校には「宗教」という学科があって、小中学生でもそれぞれの家庭の宗教に合わせて教義などを学んだり、他の宗教についても基本的なことを学ぶことがあるらしい。そこでは「今から2,500年前にインドにシャカという人が生まれて」とか「2,000年前にキリストと呼ばれるイエスがパレスチナに生まれて」という遠い過去の歴史ではなく、例えば「仏教徒の◯◯さんの家ではこんな暮らしをしています。仏教の行事にはこんなことがあって、家族はそれをこんな風に祝います」という具合に、今現在の信徒の暮らしを紹介することが入口になっていることも多いようなのだ。

 この「絵本で学ぶイスラームの暮らし」はまさにそういう本で、ここでは読者として想定されているであろう小学生ぐらいの子供と同じ年頃のドバイの少年が、イスラームとどのように接し、どのようにそれを学び、家族の中で教えが継承されていくのかをわかりやすく解説してくれる。宗教学習のひとつの方法として、これはとてもいいものだと思う。

 しかしこれは「信仰」と「生活」が密接に結びついているイスラームだからこそ可能なことで、同じことが仏教やキリスト教でも可能なのかどうかはちょっとわからない。仏教の場合は「墓参り」や「法事」という接点があり得るけど、キリスト教の場合はどうかなぁ……。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 読書

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