人口減少と高齢化で日本は滅びるだろう

読売新聞 2015.4.18

 今朝の読売新聞1面トップは、日本の人口の自然減がはじめて25万人を超えたという話だった。

 昨年10月時点での日本の総人口は、外国人を含めて1億2,708万3,000人。そのうち65歳以上の高齢者は3,300万人で約26%。一方15〜64歳の生産年齢人口は7,785万人だから人口の61%。0〜14歳の年少人口は1,623万3,000人で、人口全体の13%程度にすぎない。高齢者の中でも75歳以上の人たちが人口の12.5%いるというから、年少人口と75歳以上の人口がほぼ等しいわけだ。

 日本では今後も、人口減少と高齢人口の増加は加速していくだろう。生産年齢人口の不足を補うために、この年齢層に属しながらも仕事を持たない女性を働かせようと政府は必死だが、一方で介護や医療は「なるべく家庭で」という方針なのだから、掛け声と実際の行動がどうもちぐはぐだ。

 少子化対策にしても一番必要なのは若者たちが安定した職を得て家庭を持てる環境を作ることだろうに、政府が勧めているのは正社員に対しては「残業代ゼロ」であったり「解雇しやすくする」だったりでまるで逆方向。雇用形態でも非正規雇用を増やして、産業界が安い労働力をこき使って使い捨てにできる便宜ばかり図っている。これでどうやって結婚して子供を産めというのだ?

 若者は地方から流出して「人口のブラックホール」と呼ばれる都市部に集まってくる。自民党は「地方創生」を掲げてこうした動きに歯止めをかけようとしているが、地方と都市部で不動産以外の生活物価はほとんど変わらないにもかかわらず、地方は賃金が安いのだから若者が都市部に職を求めるのは当然だろう。地方創生の第一歩として最低賃金の全国一律化は不可欠だと思うのだが、自民党内部でそうした議論が起きている気配はない。

 まあ地方の最低賃金が上昇すると、安い人件費で成り立っている地方の事業所の中には立ち行かなくなるところも出てくるだろうね。でも地方に新しい産業を作るだの何だのと張り切る以前に、まず最低賃金の見直しにすぐ着手すべきだと思うけどな。

 日本は社会の仕組みを根本から変えなければならない。「美しい国」などという幻想を捨てて、まず目の前にある現実から考えなきゃならない。やれることはたくさんあるはずだ。例えば……

  • 日本は移民の受け入れを本気で考えるべきである。昨年の人口の自然減は25万1,000人だが、総人口では21万5,000人の減少にとどまっている。人口減少を緩やかにしているのが、外国人の入出国の差だ。外国人を今以上に積極的に受け入れるべきだろう。日本に来る外国人がいきなり「高齢者」ということは考えにくい。外国人の増加はそのまま、生産年齢人口の増加につながる。

  • 少子化対策にはより力を入れるべき。結婚するかしないか、子供を生むか産まないかは当然個人の選択なのだが、そうした選択によって「経済的に不利」になることは回避しなければならない。現在の日本の仕組みでは、子供が生まれれば子供を持つ親は必ず経済的に不利な状況に追い込まれることになっている。子供を産んだ人が、子供を産まない人よりも「得をする」仕組みを作れば、世の中はそちらに誘導されていくだろう。具体的な仕組みについては、アイデアが山ほど考えられるはずだ。

  • 女性の雇用についてはより積極的になるべきだが、いまだに残る「女性は補助的な作業で低賃金」という風潮を改めて、女性も男性と同等の賃金を得られるようにしていくべきだと思う。そしてこれまで家庭の中で「女性の仕事」とされていた家事や育児や介護といったものを、どんどんアウトソーシングできるようにするのだ。そうすればそこに新たな雇用も生まれて、一石二鳥ではないか。

 人間には個人の意志があり、状況がどうであれ個々人がその中で自分の人生を自ら考え決定している。政府が「ああしろ、こうしろ」と言っても、個人がその通りに動くとは限らない。しかし人間を個人ではなく集団で見た場合、水が高いところから低いところに流れるように経済原則で人は行動を決める。若者が都市部に集中するのも経済原則のなせるわざだし、晩婚化や未婚化、少子化の加速も、その背後には経済性の原則がある。

 予算をどこからどこに付け替えるか、限られた予算をどこに重点配分するかで、人間の行動は変わるのだ。それをやるのは政治家の仕事だろう。

 しかし日本の政治家は目先の選挙と国会内での権力抗争にばかり目が向いて、10年後の日本、30年後の日本を考える視点が失われているのではないだろうか。ちょっと批判されたぐらいでテレビ局に圧力をかけている暇があったら、未来の日本についてのビジョンを国民に示したらどうなんだろう。

 僕がイメージする20年後、30年後の日本では、政治家たちの無為無策で都市部がスラム化し、地方は荒廃しきっている。このままでは日本は滅びるだろう。自分の子供達には日本を捨てて、海外に出て行ってほしいと本気で思っている。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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