マクドナルドの凋落が悲しい……

214

 マクドナルドがどんどんダメになって行く。3月の売上は前年比29%減だそうで、これってちょっと大変なことなんじゃないだろうか。

 僕はマクドナルドが日本に上陸し、東京銀座の三越1F部分に最初の店舗を構えた時のことを知っている。連日ものすごい人がいて大行列しているというので、朝早くに車で出かけて、買ってきたハンバーガーなどを車の中で食べた記憶がある。

 1号店オープンは1970年だから、僕が4歳ぐらいの時のことだ。だから詳細は記憶していない。誰と出かけたのかも覚えていない。ただ、人通りの少ない朝の銀座と、車の中で紙袋から取り出して食べたハンバーガーの存在を覚えているだけだ。それを美味しいと思ったのか、そう思わなかったのか、それもあまり記憶にない。

 1970年の日本上陸からしばらく、マクドナルドはとても「都会的」で「おしゃれ」なものだった。そもそも日本にはアメリカ流のファストフード店というものが存在せず、マクドナルドがそれを日本に伝えたのではないだろうか。マクドナルドが出店していない地域では、マクドナルドが進出すると大騒ぎだった。「ついにわが町にもマクドナルドがやってきた。これで町も少し都会になれた!」と思ったのだ。

 高校時代は駅前のスーパーの1Fに出店しているマクドナルドで、よくポテトを買って食べていた。貧乏な高校生なので配布されるクーポン券を集めたりしたな。1980年代だ。あの頃から、マクドナルドはもう「都会的」でも「おしゃれ」でもない、日常的な食べ物になっていた。

 就職したのは銀座のデザイン会社で、夜遅い作業になると近所のマクドナルドまで夜食を買いにく人がいた。買い出しに行くのは晴海通りに面した店舗で、あの日本進出1号店の移転店舗だ。この頃には、マクドナルドはもう楽しいものではなくなっている。夜食として提供される、粗末なエサみたいなものだった。(この晴海通り店もすでに閉店している。)

 子供の頃はあんなにときめいたのに、わくわくしたのに、大人になってからマクドナルドにそうした気持ちを抱くことがなくなった。日本人の食生活が豊かになって食の多様化が進んだとか、マクドナルドが低価格戦略を打ち出して「安かろう悪かろう」になってしまったとか、まあいろいろなことが言われているのだが、それでもまだマクドナルドが持っていたのは「全国一律の味と値段の安心感」だった。

 値段については地域ごとに価格を少し変えるなどいろいろな試みもあるわけだが、それにしたってハンバーガーの値段が倍になるなんてことはない。だいたい同じような値段で、同じようなものが、同じように食べられる。でもそうすた安心感も、賞味期限偽装や異物混入の話題で消えてしまった。

 今やマクドナルドはハッピーセットの「おまけ」で子供を集め、それにくっついてくる保護者を客に取り込むという、ジャリすくいのビジネスになってしまっている。定番以外の限定メニューで客を集めようともしているようだが、まずはハンバーガーやチーズバーガー、ビッグマックといった定番メニューの愛好者を増やしていかないと、おまけや限定メニューの内容次第で業績が浮き沈みする不安定な状態になってしまうと思うけどな……。

 僕は休みの日に子供に「マクドナルドに行きたい」と言われると「それだけはやめようよ」と返答してしまうのだが、それは別にマクドナルドの商品が嫌いだからじゃない。じゃあなぜ行かないのかというと、その説明は難しいんだけどね。

 いずれにせよマクドナルドの日本上陸やその後のワクワクする日々を知っているだけに、最近のマクドナルドの凋落ぶりは悲しくなるばかり。でも初上陸からもう45年もたってるんだもんな。現在マクドナルドを利用している人たちの多くは、生まれた時からマクドナルドがあった人たち。今さらそこにドキドキもワクワクもないのだろう。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中