スマホやめますか? それとも大学生やめますか?

山沢清人学長

 信州大の入学式で学長が新入生に「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」と問いかけた問題。

 ここだけが新聞の見出しなどになっているのだが、学長あいさつの全文を読む限り、「スマホを完全にやめてしまえ。信州大では学生のスマホ禁止だ!」などと言っているわけではないことがわかる。スマホにべったり依存せずに、たまにはスイッチを切って本を読んだり、友達と語り合う時間を作れと言っているだけだ。

 僕自身、ここ何年も「本を読む量が減ったなぁ」と思っている。原因のひとつは間違いなくスマホだ。以前なら電車で移動する僅かな時間などでも、文庫や新書をバッグやポケットに忍ばせ、時には雑誌や新聞をせっせと読んでいたのだ。だが今はこうした「隙間の時間」でほとんどスマホを操作している。「隙間の時間」だけでなく、それ以外の時間もスマホは侵食していく。

 もちろんこれはスマホ自体に罪があるわけではなく、そうした時間に本を呼んだり音楽を聴いたりする選択は常にユーザーの側にあるわけだ。しかしスマホはあまりにも便利すぎる。電車の中でつり革につかまりながら本を読むのは、それなりに技術が必要なものなのだ。でもスマホなら片手でスーイスイだもんね。最新のニュースも、友人との情報のやりとりも、仕事にまつわる情報収集も、ゲームも、ラジオ放送の聴取もスマホでまかなえるし、本だって読める。

 そう。電子書籍をインストールしておけば、スマホで本を読むことだって出来るのだ。だから「スマホをやめて本を読め」という言い方に対して、「スマホでも本は読める」と反論することは一応できる。でもスマホで本を読んでいる人がそれほど大勢いるとは思えないけどね。僕もスマホで本を読むことはほとんどない。(電子書籍を読むのはKindleを使っているというのもあるけど……。)

 結局スマホでは、断片的な情報をちょこまかとつまみ食いするのに向いているのだ。ブラウザにキーワードを打ち込んで、ちょっとした情報を調べる。メールやSNSをチェックする。地図で現在位置を調べる。電車の乗換を調べる。映画の時間を調べる。天気予報を見る。こうした作業にスマホほど便利なものはない。でもそこでまったく新しい知識に出会うことは滅多にない。本を呼んで得られるような体系的な知識も、(スマホでも本が読めるという反論は可能であるにせよ)スマホから得られることはまずない。

 ジャンルを問わず何でもかんでも本を読む、乱読するという経験が、人生の中には必要な時期があると思う。例えば「ベストセラーだからとりあえず読んでみる」とか、「書店で見かけて面白そうなので買ってきた」とか、そのたぐいの本だ。残念ながら社会に出てしまうとそうしたことに費やせる時間はめっきり減って、もっぱら仕事に関係のある本や、自分の読みたい趣味の本しか読まなくなってしまう。あちこちに出かけていろいろな人に会ったり、話を聞いたりすることも、やはり社会に出てしまうとなかなか時間が取れないことが多い。

 結局何をするにしても、学生の間が一番自由な時期だと思うのだ。その時期をスマで「隙間の時間」として消費してしまうのは、なんだかもったいないよなぁ……。

 僕は最近iPhoneの調子が悪いこともあり、半ばスマホから遠ざかりつつある。外出時はなるべく本を読む時間を増やしたいので、不調のiPhoneを手放していっそガラケーに戻しちゃおうかなぁと思っているくらいだ。少なくとも僕の生活にとって「必要か否か」で考えると、現在のiPhoneはオーバースペックに過ぎるな。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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