バカは他人の失敗に学ばない

週刊新潮20150305

 先日ブログで「未成年者の実名報道について」という記事を書いたのだが、やはりと言うか、案の定と言うか、むしろ期待通りと言うべきか、週刊新潮が川崎の中学生殺害事件について、容疑者少年の実名と顔写真の公開に踏み切ったようです。

 これは明らかに少年法に違反しているので、週刊新潮に対しては何らかのおとがめがあるとは思います。ただ前回の記事でも書いたけど、他社だって「指名」こそ書いていないものの、年齢も、居住地も、生い立ちも、家族構成も、個人特定に直接結びつくような情報をダダ漏れにさせているわけですけどね。こうした内容も本来なら少年法で報道することを禁じているわけで、マスコミ他社は週刊新潮だけを責めた義理でもないのです。

 週刊新潮は他のメディアが守っている「最後の一線」を踏み越えたわけだけど、他社もその一線に至る以前の線は何本も踏み越えちゃってるんだから、僕から見ればほとんど五十歩百歩だと思うんだよな……。

 こうした実名公開を歓迎する声もあるようだけど、僕はそれとは異なる印象を持っている。少年法によって加害者のプライバシーが守られていることに異論をはさみたいなら、堂々とそれ自体をテーマにして論陣を張るのがスジでしょう。「少年法には納得できないから、うちは法律破っちゃいます!」というのはアリなのかね?

 週刊新潮は単に「商売のネタ」として、加害者の個人名や顔写真を出しただけです。同じネタは他社もみんな持ってるけど、少年法があるからその手前で踏みとどまってるだけのこと。週刊新潮は単に順法精神が欠如しているだけで、これはスクープでも何でもないわけです。

 こうして個人名をさらすことについて、「未成年者であっても重大事件を起こせば逃げ隠れできないことを示すことで、同様の事件を起こそうとする犯罪予備軍に対して抑止効果が生まれる」と言う人がいるんだけど、僕はもうそういうのって全然信じてない。そもそも犯罪予備軍は自分と仲間だけの小さな世界に住んでるから、世間でどんな事件が起きてるかなんて興味ないんじゃないかな。

 例えば数年前からTwitterやYouTubeにアルバイト先で行ったイタズラや自分が行った犯罪行為を投稿し、炎上して袋叩きになるだけでなく、場合によっては逮捕者まで出るような事件が連発してるわけです。でもこういう事件は、「こういうことをやると大変なことになるよ」といくらメディアが注意しても減らないわけです。

 バカは他人の失敗に学ばないんですね。

 でもこの手のバカはTwitterにイタズラを投稿する高校生や大学生だけでなく、日本中のほとんどあらゆる層で同じようなバカが山ほどいるわけです。例えば相変わらず後を絶たないオレオレ詐欺とかね。あれだけしつこくマスコミが報じ、警察も注意を呼びかけ、金融機関のATMや窓口にも「こういう電話があったら詐欺です」と張り紙があるのに、それでもまだ毎日のように大勢の人が騙されている。

 バカは他人の失敗に学ばないんですね。

 政治家への献金問題で今も何人かの政治家たちがマスコミに叩かれ、国会でも突き上げを食らっている状態が続いているけど、これだって過去にいったい何人の政治家が同じような問題を起こしているんだ? ちょっとは学べばいいのに学ばない。

 バカは他人の失敗に学ばないんですね。

 上から下までこんな状態なんだから、少年法を改正して実名報道を許可したり、厳罰化して加害者に重い罰則を科したりしても、それが新たな犯罪の抑止効果を生むとは思えないんだよな。

 だって、バカは他人の失敗に学ばないでしょ?

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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