シリーズ映画の楽しみ

レック4 ワールドエンド

 午前中に映画評を少しまとめて、午後は試写を2本。1本目はスペイン製ホラー映画『レック』シリーズの4作目で完結編(たぶん)となる『レック4 ワールドエンド』。これは1作目がすごく面白かったのだが、2作目を見落として3作目を観に行ったらホラーコメディになっていて驚いた。今回の4作目はシリアス路線に戻しているのだが、ホラー要素は少なくなってサスペンス・アクションになっている。1作ごとに前とは違うことをやって観客を楽しませようというサービス精神に敬服するのだが、作品のテイストやネタがどんどんチープなものになっていくので、たぶん5作目はもうないだろうなぁ。

 シリーズ映画は同じ世界観で同じような内容を延々繰り返すものもあれば、1作ごとにまったく方向性を変えて観客を驚かせるものもある。寅さん映画などは前者の代表例だろうが、シリーズ映画が同趣向の映画を繰り返すうちに縮小再生産に向かうのに対し、常に一定のクオリティで前作に負けない映画を作り続けたのは大したものだった。あれは結局、主人公をあちこちに移動させて物語の背景を入れ替え、毎回異なるマドンナを登場させて行くというシステムが良かったんだろう。シリーズ映画にはシリーズ映画の創意工夫というものがあるわけで、映画を作る側と観る側は互いに相手の腹を探り合いながら「今度はこんな手で行こう」「なるほどその手で来たか」などと駆け引きを楽しむわけです。

 これは単なる「続編」とか「前日譚」とはまた違う楽しみなんだよな……。

 2本目の試写は同じ試写室で(配給会社は違うけど)アイヴァン・ライトマンの新作『ドラフト・デイ』。フットボールをテーマにしたスポーツ映画なのだが、選手ではなくGMを主人公にして、ドラフト会議の1日を時系列に追いかけていくという内容。限定した時間と空間の中で次々に人物を出し入れしていく語り口はまるで舞台劇を見ているような緊張感があるのだが、後半はドラフト会議の会場にカメラが入り込んでパッと視界が開けていくような開放感が味わえる。このダイナミズムがじつに映画らしい。映画が好きな人は観て損のない作品だと思う。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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