「昭和元禄落語心中 6」を読む

昭和元禄落語心中6

 雲田はるこの「昭和元禄落語心中」6巻が出た。与太郎は先代助六の娘である小夏と夫婦になるのだが、彼女が生んだ子供の父親は誰なのかという謎に、一応の種明かしがなされているのがこの巻のクライマックス。元ヤクザのチンピラ(与太郎)と、現役ヤクザの大親分の対決は見応えがあり、著者の構成力と筆力の確かさを感じさせる。

 真打ちになった与太郎改め三代目有楽亭助六は、自分の落語を求めてもがき始める。そのもがきっぷりがいかにも不器用なのがいい。師匠の八雲が理知的な努力型の天才で、先代助六が落語の神に愛された天才だったとすれば、助六は不器用ながら体全体で落語と取っ組み合っている。その落語とは、師匠八雲の落語であり、八雲の中に刻み込まれている先代助六の落語なのだ。こうした過去の遺産を、与太郎がどう受け止めて自分のものにしていくかが楽しみだ。

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