作文は三部構成で書け!

プロが教える読書感想文の裏技

 旅行前に一通りの仕事は済ませておいたのだが、雑誌原稿のお題が届いたのが旅行に出発した当日だったため、締め切り当日の今日になってからいそいそと片付けることになった。この映画コラムは取り上げる映画のタイトルを先に決めてしまい(これは雑誌発売期間中に公開される映画の中から自分で選ぶ)、それをどういった切り口で語るかを考え、全体の構成を決めればだいたい書けてしまう。一通り書いた後、文章を整えて入稿。これは苦労せずに2時間ぐらいで書けてしまうこともあれば、2〜3日悩むこともある。今回は締め切りのその日に書いているので2〜3日悩むというわけには行かなかったが、午前中からはじめてたっぷり午後一杯かけて書いていた。なんとか片付いて少しほっとしたけど、明日はメルマガの原稿を書かなきゃな……。

 昨日の昼間は子供の読書感想文の宿題を手伝っていたのだが、原稿用紙2〜5枚程度の作文は「構成」さえ決まれば7〜8割は出来てしまう。これは仕事の原稿と同じだ。作文の構成については「起承転結」の四部構成が日本では標準になっているようで、僕は学校でもそう教わった。だがこれは実際のところあまり役に立たないと思う。四部構成でうまく作文が書けてる小学生や中学生(あるいは高校生でもいいけど)なんて本当にいるんだろうか?

 起承転結は漢詩の構成を散文にも援用したものなのだが、僕には「起承転結」の「起」と「承」の区別がよくわからないし、「転」と「結」の区別もわからない。文章の「起こり」からそのまま内容を「承けて」しまえば、そこに明確な区別などないだろう。文章の結論部分は最後の1行でそれまでの内容を一気にひっくり返してオチにすることなどもあるわけで、この場合は「転」と「結」が構成上は一致しているわけだ。こうしたオチの場合、その後をダラダラ続けて結論めいたことを書くとかえって面白くなくなってしまう。

 というわけで僕は、現在の物書き稼業をはじめてしばらくしてから、起承転結の四部構成を気にするのをやめてしまった。かわりに意識するようになったのは「はじめ・中間・おわり」の三部構成だ。ありとあらゆる作文は、この三部構成で書ける。「はじめ」は書き出しで、どんなところから作文の本題に入るかというアプローチ部分。「おわり」は作文の最後のオチで、構成の上でよくあるパターンとしては「はじめ」の話題に戻して終わるとキレイに全体を閉じられる。

 勘違いしてはいけないのは、この構成は各パートの順序と内容を決めているだけで、分量はまちまちなのだ。全体が三部構成だから、原稿用紙3枚のうち「はじめ」に1枚、「中間」に1枚、「おわり」に1枚というようなことはない。むしろ分量で言うなら、「はじめ」に原稿用紙半分、「おわり」に原稿用紙3分の1ぐらいで、残りは全部「中間」にあててしまう。長い作文はこの中間部分が長くなるし、短い作文は中間部分が短くなる。中間部分は結構適当に書いてあっても、「はじめ」と「おわり」さえきれいに決まれば作文は格好良く収まりがつく。

 原稿用紙3〜5枚程度の読書感想文を書くならいきなり原稿用紙に何か書きはじめるのではなく、やはり全体の構成、見通しを考えてから書きはじめた方がいい。作文は「はじめ・中間・終わり」の三部構成にする。読書感想文だとメインの「本の感想」は「中間」に置いておく。あとはそこに至る導入部と、最後のオチさえ考えれば作文の7〜8割は出来上がりだ。

 昨年「プロが教える読書感想文の裏技」という電子書籍を出したのだが、そこでも作文の構成については簡単に触れておいた。でもこれは構成の部分だけ、もっと丁寧に解説しておいた方がよかったかもしれない。文章を磨いていく作業は、読む量と書く量がものを言う世界で、一朝一夕に上手くなるわけではない。だが文章全体の構成はそうした技能の世界ではなく頭で考える世界なので、ちょっと気をつけるだけで作文の水準はぐんと上がるはずだ。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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