世の中には二種類の人間がいる

続・夕陽のガンマン

 「世の中には二種類の人間がいる……」という『続・夕陽のガンマン』(1966)流の乱暴な二分法をするなら、子育てには二種類の主義がある。子供を「ほめる主義」と「しかる主義」だ。

 「ほめる主義」は子供の長所をほめて伸ばすというもの。むやみにしかっては、子供の自由な発想や考えを萎縮させて可能性を摘み取ってしまう。むしろほめてほめて、持っている力をどんどん引き出してやるべきだと考える。

 「しかる主義」は、子供の成長を頭から抑えろと言っているわけではない。子供の発想力は大人の考えつかないような方向にも延びていくので、それが本人や周囲の害になるようなことであれば、それを早めに摘み取っておくべきだと考える。

 どちらが正しいというわけではなく、どちらも正しい考えだと思う。時と場合によって、ほめたり、しかったり、適時使い分けて行くべきだし、ほとんどの親は実際にそうしているはずだ。子供をほめることは、子供を甘やかせて増長させることではない。子供をしかることは、子供の人格を認めず圧し潰してしまうことではない。どちらも子供の健やかな成長を願う、親の愛情から出たものなのだ。

 子供に対する接し方に「ほめる」と「しかる」があって、そのどちらもが子供に対する愛情に根ざしている。同じことは自分たちの住んでいる国に対しても言えるだろう。自分の国を愛しているからこそ、国の歴史や文化や振る舞いについて「ほめる」こともあれば、国の歴史や文化や振る舞いについて「しかる」こともある。前者が愛国者なら、後者もまた愛国者だ。

 日本の歴史や文化や振る舞いについて非難したり抗議の声を上げたりする人たちは、ほとんどの場合、国を愛しているからこそ厳しいことを言っている。悪いところを改めることで、よりよい国になれると考えているからだ。ところが最近どうも、この手の「国に対して苦言を申す」タイプは逆サイドの人たちから文句を言われる。いわく、彼らはジギャク史観の持ち主である、ハンニチ勢力である、ニッキョーソの歪んだ教育によってセンノーされた人たちである、サヨクである、キョーサン主義者である、バイコクドである、北チョーセンの手先である……。なんだそりゃ?

 世の中全体で、極端な二分法がはびこるようになっているような気がする。保守か、リベラルか。現実主義か、理想主義か。敵か、味方か。その上で、自分を一方の陣営に置いた人は、もう一方を極端なまでに叩く。『続・夕陽のガンマン』流の極端な二分法の世界だ。

 でも『続・夕陽のガンマン』の原題は「The Good, the Bad and the Ugly」で、二分法ではなく三つ巴になっているんだけどね……。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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