高校生に労働法の基礎を教えるべきだ

知って役立つ労働法

 ブラック企業という言葉はかなり定着してきているが、その定義は曖昧でじつのところはっきりしない。そのためブラック企業だと名指しされた企業の経営者が、「うちはブラックじゃない!」などと反論したりするのだろう。

 一般的にはサービス残業にしろ不当な解雇にしろ、雇用されている立場の弱味に付け込んで、その労働力を不当に搾取し使い捨てにするのがブラック企業のイメージなのかもしれない。こうした不当な搾取から労働者を守るのが労働法の役割なのだが、残念なことに労働者の多くは自分たちに与えられている基本的な権利すら知らないでいる。

 もっともこれは、知らなくて当然なのだ。世の中のほとんどの人は、学校で労働法について学んだことなどないはずだ。僕が労働法について基本的なことを教わったのは、学校を卒業して一番最初に入った会社で受けた新人研修の場でのことだった。雇用契約に記されている事柄や会社の就業規則を説明される段階で、「法律ではカクカクシカジカと定められているので、当社ではコレコレの決まりを設けています」といった丁寧な解説をしてもらったのだ。

 (今から考えると、あの会社はずいぶんと新人研修に手間を掛けてくれたものだ。デザイン会社だったけど、製版会社や印刷会社での実習とかもあったしね。まあバブルの頃でしたけど、今でも同じようなことやってるのかなぁ……。)

 ところがこうした労働法の基本的な知識すら、誰もが持っているというわけではない。雇われている側が労働法に無知であるのはもちろん、雇う側が労働法を知らないということもあり得る。小さな会社がしばしばブラック企業になってしまうのは、労働者の無知に付け込んで会社側が不当な利益を貪っているわけではなく、ほとんどの場合は雇っている側が労働法に無知だからなのではないだろうか。

 というわけで、僕は労働法の基本的なことについては、学校できちんと教えるべきだと思っている。中学生にはまだ「仕事」や「働く」ということの実感がわからないと思うが、高校生ぐらいになればアルバイトなどで実際に給料をもらって働くこともあるだろう。労働法の基本的な事柄について、一通りのことを憶えておいても損はない。普通の人にとっては、日本国憲法よりも労働基準法の方が日々の生活に密接につながる身近な法律だ。そうした身近な法律から、法の支配という現代社会の基本原則について学ぶことは意味があると思う。

 ついでにアルバイト代から天引きされる税金を、翌年の確定申告で取り戻す方法も教えてやればいい。必要経費がなくても基礎控除の分だけは必ず税金が戻ってくるのだから、これはアルバイトをしている高校生にとっても大いにメリットがある情報であるはずだ。職場でセクハラやパワハラを受けたらどう対処すべきかや、不当な行為について職場の上司と話してらちがあかないときは労働基準監督署に申し出ることができることなど、仕事をする上で憶えておくべき事柄は山ほどある。

 厚生労働省から「知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識」という小冊子が出ていて、PDFでも最新版が公開されている。しかしこれは、誰がどんな状況で使用することを想定しているのかわからない。大学生あたりを対象にしているようでもあり、雇用者側を対象にしているようでもあり、なんだか中途半端。もう少しわかりやすい小冊子を作って、学校で利用できる副教材としてばらまいてやるといいと思うんだけど。たぶんそれが「ブラック企業対策」としても有効なことだと思うしね。

 ちなみに僕は現在フリーランスなので、労働法はほとんど何も役に立ってません。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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