少子高齢化の本当の原因は?

親子

 都議会や国会での「セクハラヤジ問題」も一段落してきたようなので、行政の少子高齢化対策について自分の思うところを書いておこうと思う。「少子高齢化」と一口に言うが、これは少子化の結果として若年人口が減り、社会全体が高齢化して行くことだ。人間は生きているかぎり年を取るが、社会全体として見た場合は、それとバランスが取れる形で若年人口が補充されていれば高齢化は起きない。だから問題の焦点は、少子化をどう解消していくかにある。

 少子化がなぜ進んでいるのかはいろいろな要因があるのだが、その中でも最大のものは晩婚化と未婚化だ。平均初婚年齢と未婚率の推移を見ると、今から30年ぐらい前まで、女性は20代半ば、男性も20代後半で結婚するのが普通だったことがわかる。20代半ばで結婚すれば、女性は20代のうちに子供を2人ぐらいは生めただろう。だが現在はこの初婚年齢がぐっと上がり、2012年には女性の平均初婚年齢が29歳を突破し、男性も30歳を超えた。

 さらに深刻なのは「未婚化」だ。今から30年前の昭和60年頃まで、50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合(これを生涯未婚率と呼ぶ)は男女ともに5%未満だった。何らかの事情で結婚できない人、結婚しない人はいたとしても、それは全体の中のごく一部だったのだ。しかし今はこれがうなぎ登り。2010年のデータでは、女性の生涯未婚率は10%を超え、男性はなんと20%を超えている。生涯未婚率の推移も右肩上がりなので、この数値も今後は上昇していくことだろう。今から10年後には生涯未婚率が倍増するという説もあるが、こうした傾向が続くようではますます少子化は加速していくことになる。

 こうしたデータを前にして出てくるのは、女性に対するさまざまな支援だ。子供を生むか生まないかを決めるのは女性なのだから、その女性に手厚い支援をして子供を生んでいただきましょう……という政策。しかし少子高齢化問題の解決を「女性に何とかしていただきたい!」と考えている限り、この問題は永久に解決しないのだ。

 確かに出産は女性しかできない。男性は逆立ちしたって子供を生むことはできない。しかし何度も繰り返しになるが、日本の少子化の最大原因は晩婚化と未婚化だ。話は「結婚するかしないか」がまず第一歩なのだ。そしてこれは、女性だけの問題ではない。むしろ統計データを見る限り、晩婚化と未婚化の原因を作っているのは男性たちだと言える。個々のカップルの恋愛模様はともかくとして、データから見えてくるのは、男たちが結婚から逃げているから女性が結婚できない、子供も生めないという真相だ。

 また別の実態も見えてくる。生涯未婚率で男女に大きな開きがあることからは、結婚している男性の中に複数回結婚した人がかなりいることがわかる。生涯結婚できない男性が2割いる一方で、男性の1割ぐらいは離婚再婚などで複数回結婚しているのだろう。現在は「結婚向けの男性」と「結婚に向かない男性」の選別が起きている。結婚に向く一部の男性は引く手あまただが、結婚に向かない男性は一生結婚できない。

 晩婚化や未婚化の話が出ると「女たちが高望みするからだ」と言う人が必ずいるのだが、データから見えてくるのはむしろ逆だ。女性たちは男性よりずっと結婚に対して前向きで積極的だが、男性たちが消極的すぎる。結婚する男(結婚できる男)が少なくなったので、結果として女性があぶれている。限られた数の結婚する男を争って、女性たちが順番待ちをしている。それがデータから見えてくる結婚の現実なのだ。

 にも関わらず、政治家も役人も少子高齢化問題を「女性の問題」だと考えている。議会で女性議員が少子化問題について論じると、「お前が結婚しろ」「早く子供を生め」とヤジが飛ぶ。待て待て。それは逆なのだ。少子高齢化の真犯人は、結婚せずにぶらぶらしている男たちなのだ。それを放置したまま、女性に向かって「早く結婚しろ」とヤジを飛ばすのはアベコベだろう。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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