電子コミックのセミナーに出席

jepa

 日本電子出版協会(JEPA)主催の「デジタルコミックの現在とマンガボックス」というセミナーに出席してきたので、その感想を少し書いておく。JEPAのセミナーは知り合いの会社に紹介されて先月の「Kindleコンテンツ制作説明会(3)」から出席している。今後も時間があれば、なるべく出席しようと思っている。現場の人たちが電子書籍について何を考えているかがわかって、いろいろと面白い発見があるからだ。

 今日は各社が運営している電子コミック誌(電子マガジン)を紹介しながら電子雑誌の意味合いなどを簡単に解説したあと、DeNAが運営しているマンガボックスについて細かな説明とディスカッションが行われた。

 無料のコミック誌がどういった収益モデルになっているのかに興味があったが、これは現状ではまったく収益が出ていないらしい。このへんは出版社ではなくIT企業の発想だと思う。ネットの中のサービスは「集客力こそが命」であって、「ビジネスは後から付いてくるもの」だったりするのだ。マンガボックスは現在アプリのダウンロード数が300万を突破しているとのこと。このうち何割が実際の読者数になっているのかは不明だが(僕もアプリはダウンロードしているけれど使ってないもんな)、紙の雑誌に比べると桁違いの数が出ていることは間違いないだろう。

 電子雑誌の場合、読者がどのページにどのくらいの時間滞在しているか、ページを訪問した読者がどのぐらい次のページに進むかなどを細かくデータとして集積することができる。(具体的にその例も見せていた。)これは紙の雑誌ではまったく考えられないことで、読者アンケートなど取らなくても、読者が実際にどの作品を読んで、どの作品を素通りしているのか、どの作品が面白いと思われ、どの作品が途中で投げ出されているのかをリアルなデータとして取得することができる。これはマンガの作り方を変えてしまう技術だと思った。

 ただこれだけのことをして新しい作品をプロデュースしても、マンガボックス側はマンガ作品の著作権を持つことができない。出版者側から提供された作品はともかく、依頼して執筆してもらう作品については何らかの形で権利を持っておく必要があるような気もする。アメコミなどは作品の権利を出版社が持っているから、映画やゲームなどへの展開、作品のリブート、スピンオフ、クロスオーバーなど、ダイナミックな展開が可能になっている面がある。マンガを大きな産業にしていくためには、新しい形の「作品の権利」のあり方を考えてみてもいいのかなぁ……という感想を持った。

 まあこれは著作権法などのからみもあるし、容易に出版社の権利を認めてしまうと、大資本の出版社が若くて力のない作家から作品を収奪してしまうようなこともあり得るけどね。マンガ家たちは反対しそう。でも出版者側は自らのコミットの割合によって、原作や原案といった形での権利を主張してもいいのかもしれない。映像の世界なら製作者が権利を持っているのが当たり前だし(映画の権利を持っているのは脚本家や監督ではなく製作者なのだ)、テレビの世界でもスーパー戦隊シリーズの八手三郎のように、共同ペンネームで作品に一定の権利を残している例がある。

 次回は4月3日(木)にセミナーが開催されるのだが、これは旅行中なので出席できず。僕の次の参加は4月18日(金)の「セルフパブリッシング(自己出版)の現状と今後」になる予定。これは僕が個人的にやっている事柄とも近い話題なので、今から興味津々!

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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