’90年代はもはや懐メロ

クライマックス ロマンティック・ソングス

 図書館でCDを何枚か借りてきたのだが、90年代のヒット曲を集めたコンピレーション盤を聴きながら「この年代の楽曲はもう懐メロなんだなぁ」と思って複雑な気分になった。収録アーティストの多くは今でも活動中なんだけど、現役のアーティストであることは懐メロ歌手であることを否定することにはならない。僕が子供の頃に懐メロ番組に出演していた往年の人気歌手たちだって、その時代にまだ現役の歌手として活躍し、新曲も出し、それぞれそれなりに売れていたのだ。

 懐メロ番組に松田聖子が出てきてびっくりしたのは、もう今から10年ぐらい前だと思う。2014年の今になれば、それはますますはっきりしてくる。「赤いスイトピー」(1982)や「SWEET MEMORIES」(1983)は名曲だけど、もう完全に懐メロです。今からもう30年前以上前の曲だもん。例えば「リンゴの唄」は昭和20年のヒット曲だけど、これは昭和50年代前半には完全に懐メロだったはず。松田聖子の1980年代のヒット曲というのも、今現在からだとそのぐらいの時代の隔たりがあるのだ。

 僕が子供の頃に観ていた懐メロ番組では、1940〜50年代が懐メロとされていたのだと思う。戦前から活動していた歌手が、まだ生きていたからだ。僕の感覚だと1960年代や70年代は完全に懐メロだ。坂本九、ザ・ピーナッツ、ハナ肇とクレージーキャッツ、キャンディーズ、ピンクレディーなど。僕よりさらに20歳若い人になれば、懐メロの範囲はさらに後ろにずれて1980〜90年代までが懐メロに入ってくるのではないだろうか。

 懐メロというと演歌のイメージを持つ人も多いだろうが、戦前や戦後の流行歌にはジャズやラテンの要素を取り入れた楽曲も多く、いわゆる演歌のカテゴリーに収まりきるものではない。古賀政男の戦前の楽曲、例えば「丘を越えて」や「東京ラプソディ」(どちらも歌は藤山一郎)はいわゆる演歌ではないだろう。戦後の服部良一の楽曲(笠置シヅ子のブギが有名)は断じて演歌ではない。流行歌というのは、それぞれの時代に、それぞれの時代の最新流行を取り入れた楽曲なのだ。だから「ロックだから懐メロではない」などとは言えない。1970年代のフォークは完全に懐メロ化しているしね。

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 日記

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