映画|地球防衛未亡人

13120501l 最終試写の上映開始前ギリギリに試写室に行ったら、さして大きくもない試写室は超満員ですごい熱気。映画上映前と言うより、芝居がはじまる前の客席の感じに似ているような気がした。目の前でこれから起きる出来事を、すべて楽しもうとして前のめりになっている人たちだ。

 オープニングのマーチは團伊玖磨の「祝典行進曲」。このいささか古風なマーチ(昭和34年に現在の天皇陛下のご結婚に合わせて作曲された)が、これからはじまる物語の祝祭性を象徴しているようでなかなかよろしい。映画は円谷特撮への愛に満ちていて、くだらないのだが観ていてニコニコしてしまうものだった。この「くだらなさ」はこの映画の場合は作品のマイナスになっていない。むしろこの「くだらなさ」や「バカバカしさ」こそがこの映画の魅力なのだ。素敵にくだらなく、立派にバカバカしい。くだらなくてバカバカしいことをやりながら、作り手がそこで脱力していないのがすごい。力一杯、全力でくだらなくてバカバカしいことをやりきっている。

 例としていいか悪いかは別として、長島茂雄の芸術的な三振みたいな映画なのだ。長島はフルスイングの三振が絵になるように、わざとブカブカのヘルメットをかぶってバッターボックスに立ったという伝説がある。どんな三振だろうと三振は三振。それは試合の成績としては何の結果も生み出せない。でも結果が残せなくても、その姿は人々の記憶に深く刻みつけられる。『地球防衛未亡人』というのは、ひょっとしたらそんな映画なのかもしれない。

 映画にはまだまだいろいろなコトができる可能性があるのだなぁ……と思わせる作品だ。予定調和の映画に飽き飽きしている人は、これを観ると少し元気になるに違いない。ま、怒り出す可能性もあるけど、「ふ〜ん」と鼻先で感心して終わってしまうだけの映画より、観客を怒らせるぐらいの映画の方がずっといいのだ。

2014年2月8日(土)角川シネマ新宿

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投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 映画

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