映画|オンリー・ゴッド

13110801l 『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフンとライアン・ゴズリングが再度コンビを組んだサスペンス映画。タイのバンコクでボクシング・クラブを経営しているアメリカ人が殺される。共同経営者でもある弟は相手に復讐しようとするが、ことの起こりで殺された兄に非があることを知って加害者をゆるす。だがアメリカからやってきた兄弟の母親(クリスティン・スコット・トーマスがすげ〜恐い!)はこの生ぬるいやり方を拒否し、自ら人を雇って復讐を決行。現場にひとりの警官がいたことを知ると彼もターゲットにするが、これがとんでもない奴だった……という物語。

 主人公は殺された男の弟なのだが、ライアン・ゴズリング扮するこの男は、殺し殺される血まみれの物語の外側に立っている。彼は殺された男の家族であり身内であり共同経営者だから、もちろん関係者ではある。だが彼は最初から復讐を放棄している。それをいくら母親に非難されても、彼は構想の真っ直中に入っていくことはしない。最後の最後まで、彼は土壇場のところで踏みとどまろうとしている。

 監督によれば、これは神に戦いを挑む男の物語なのだという。映画の中では、法を超越した裁きを行う警官が神だ。でも主人公はその神と戦っていないのだ。徹底して無抵抗で無気力。彼が警官とボクシングをする場面もあるが、母親から「素手で父親を殺したことがある恐ろしい子」と言われている彼が、あそこで本気を出していたかどうかが疑わしい。そのぐらい、あっけなく殴り倒されてしまう。

 全能の神に戦いを挑み、それに打ち勝つにはどうすればいいか。それは暴力的で理不尽な神を「ゆるす」ことだ。ゆるすことで、人はゆるされる側より優位に立てる。そこにこの映画の提示する、奇妙な逆説があるのかもしれない。

(原題:Only God Forgives)

2014年1月25日(土)新宿バルト9ほか

公式サイト ■予告編 ■公式Twitter ■公式Facebook ■IMDb ■映画瓦版

投稿者: 服部弘一郎 カテゴリー: 映画

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中